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LOVE GAME
□Battle.52

「リハビリが終わって3年生に進級。さあ、これからはサッカーなしの高校生活最後の年!なんて思ったら、今度は母親の病気が発覚して、数ヶ月後にはあっさり病死…。さすがに、辛いことばかりの都会は懲りて、また、田舎のO市に戻って、現在に至ります」

 話しのシメは、泣かずに昴の顔を見ながら笑えたと思う。

 そんな僕を昴は褒めるように頭を撫でてくれて、「よく、頑張った」と、俺様はなりを潜めて、微笑んで頭を撫でてくれる。

 辛くて、苦しくて、泣きだしたいのを我慢するために、ずっと話せなかったことを吐きだしてしまうと、なぜかすっきりしていることに気付いた。

 もしかしたら、自分が思っている以上に、過去のことを消化できていたのかも知れない。

 それは、サッカーをできるようになったから?

 いや、違う…きっとこれは、昴がいてくれたから…。

 ぐいっと、いまだ溢れる涙を手の甲で、何度も擦ると、昴が突然足に触れて来る。

「なあ、ちゃんと四季の足を見てもいいか?」

 震えなかったといえば嘘になるが、なぜか自然に頷いている自分がいた。



 足首からスエットの裾をおそるおそるめくっていく昴。

 別にそんな丁寧にっと、涙も忘れて苦笑いしてしまうが、念のためにしている両足のシップを剥がし傷だらけの足があらわになると、昴はぐっと眉間にしわを寄せる。

 サッカー部の部室で着替えをするが、さすがに皆に気をつかい足元を見せないように素早く着替えるようにしていた。

 醜い傷、サッカーを10分しかいないのにかかわらず腫れてしまうふくらはぎは、いつもシップまみれ。

 自分の足でも目を逸らしたくなる。

 なのに、昴は「よく頑張ったてる足だな。サッカー選手の足だ」そう言って、優しく触れる。

 涙がぼたぼた流れる…もう、涙腺崩壊だ。

 昴はそんな僕を見て、ワタワタ慌てているが、ほんとうに、ほんとうに僕はその言葉が嬉しかったんだ。



 昴だってわかっているはずだ。

 こんな足ではもうサッカー選手になれない。

 誰だって、こんな足を見れば、顔を歪めて心配するだけだ。

 なのに、褒めてくれる………昴だけは、こんな足でも褒めてくれる。

 嬉しさのあまり、凄い泣き顔のまま昴に抱きついてやる。



 今なら、ちゃんとと胸を張って言える…サッカーをしているみんなが羨ましくて、言えなかった言葉…。



『僕はサッカーが大好きです!』


[■負け][勝ち□]

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あきゅろす。
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