[通常モード] [URL送信]

LOVE GAME
■Battle.36(昴視点)

 校舎の屋上から下を見下ろすと、ぞろぞろと玄関前に集合したサッカー部の先輩達が見えた。

 もちろん、サッカー部以外のO大生もちらほらいる。

 オレ等1年は、なぜか屋上にセッティングされていた、木箱の台の上に誰が1番先に立つかで揉めていたが、そこは、オレが強引に順番を決めた。

 罰ゲームの校舎屋上で『斉藤様、すみませんでした!!』と叫ぶ(※パンツ一丁ではなくジャージ姿)………は、もちろん、オレ的にはそんなことを叫ぶつもりはない。

 まぁ、何を叫ぶが考える時間が欲しいしから、オレは最後に叫ぶつもりだ。

 ドカッ!!

「ホラ、行け!!林!」

 1番に叫ぶことを強要した、林の尻を蹴りあげて、さっさとしろと促す。

 林は、チョイ涙目になっているが、木箱に上に立ち、大きく息を吸い込む。

「O大1年、林ですぅ〜〜〜!!サッカー部期待の星FWぉ〜!エロカワイイ彼女募集中!!…斉藤悪魔コーチ、あなたは天才ですぅ〜!俺、最後までついていきますぅ〜!!」

 …オレだけじゃ、なかったんだな…別な台詞を考えていたのは。

 まぁ、追加した内容はなんだが…地上にいる先輩達を見れば、爆笑して手を叩いて喜んでいるので、これでいいっということだろう。



 その後、林で爆笑されたのなら、この際、ともに恥をかき捨ててとばかりに、他の1年もいらないことを叫びまくる。

「サッカー部女神様の斉藤先輩!一度でいいから、俺に微笑んで下さい!!」

 これを叫んだ奴は、木箱から降りた段階で、俺の鍛え抜いた足で、踵落しをお見舞いした。

「サッカー部は魑魅魍魎(ちみもうりょう)の巣窟ですが、俺、一生懸命頑張ります!!」

 なぜかこれを叫んだ奴は、地上にいる先輩達の涙を誘っていた。



 そうしているうちに、オレの出番で木箱の上に立って、地上にいる悪魔コーチと目が合えば、先ほどまでちゃんと考えていた文章が消える。

 まるで、この場には、オレと斉藤四季の2人しかいないように感じながら、オレは叫んだ。


[■負け][勝ち□]

2/9ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!