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LOVE GAME
□Battle.35(四季視点)

 さて、ここで気になっている人も多いだろうが、「O大学」VS「S大学」の試合で行われた、『賭け』についてだが…。

 賭け内容は、「後半残り10分で、1年の5名に、明津より自分が凄いプレーをしたと納得させられたら、パンツ一丁で校舎屋上から『斉藤様、すみませんでした!!』と叫ぶ」…なぜ、ここで僕の名を叫ぶ…。

 もちろん、逆に僕が「明津よりさっぱりじゃん!」何てことになったら、先輩である2・3・4年は、パンツ一丁でグラウンド10周を走る。

 何とも、どちらが勝っても見苦しいモノを皆様にお見せするという話しだ。



 で、試合が終わり、翌日は僕が休みで、さらにその翌日、松葉杖を使い大学のサッカー部部室に来れば、とても良い笑みを見せている、仲間達がいました。

「あの『賭け』な―――」

 4年の森キャプテンから、その台詞が出ると続きを聞くのが怖い。

 何と言っても、僕は10分間ピッチに立ち続けることが出来ず、途中退場してしまったから…。

 賭け的に言えば、僕の負けで………更に言うなら、2・3・4年は、僕のせいで、パンツ一丁でグラウンド10周を走るはめになったはず。

 ずっーーーーん!!っと、気分が重くなり、森キャプテンの続く言葉を遮るように、「すみませんでした!!」と、ガバリッと頭を下げると、なぜか、大笑いされた。

 それは、森キャプテンばかりではなく、他の部員達からも。

 なんで?

 疑問いっぱいながらも、なぜか微妙な顔をしている1年が、足取り重く部室を出て行く姿が見えた。



 部室を去っていく1年の背中を見送り、残りの部員(2・3・4年)を見渡せば、ここで竜也がこの状況を説明してくれる。

「『賭け』は、こちらの勝ちだ」

「えっ!?…でも、僕は途中棄権退場だし…」

「それでも、お前のプレーは1年どもを唸られたんだよ!さすが、悪魔コーチ!!」

「「「うおぉーーー!!さすがは悪魔コーチ!!俺等の勝利の女神様!!」」」

 悪魔や女神はないだろ…と苦笑いすれば、周りの部員達から盛大な歓声と拍手………微妙に嬉しくない。

 それにしても、明津がやけにすんなり納得したな…。

 僕そんなことを考えていると、竜也はニヤリとして詳細を明かしてくれる。

「はじめに負けを認めたのは明津だ。それに他の1年は顔を青くしながらも、渋々納得して。でも、ここで斉藤が出ていなかった数分間はどうするって話しになった時、じゃあ、パンツ一丁はなしにして、罰ゲームすることに決まった」

 やっぱり、罰ゲームを全て『なし』にする気は0(ゼロ)なんだな…。

 体育会系の上下関係の厳しさを味わう1年、まぁ、校舎屋上から叫ぶだけだし………頑張れ!


[勝ち□]

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