LOVE GAME □Battle.22 後半の試合開始まで時間がない。 急いで、明津以外のメンバーに声を掛けて行く。 「明津の言うとおりに動いて下さい。多少強引ですが、僕がもう1人いると思えばできます」 「ゲッ!!斉藤悪魔2号が、もう出来上がったのか?」 「『斉藤悪魔2号』って…」 最後に、4年の森キャプテンに声を掛ければ、この返答。 僕っていったいなんだと思われているのだろう?←悪魔です。。 思わずジトッと睨めば、森キャプテンは「あっ、ウソウソ!斉藤はうち(サッカー部)らの勝利の女神様です!」と、掌を合わせて拝まれる。 「森キャプテン、冗談はさて置き、明津のこと―――」 「ああ、了解!!アイツも何気に人使いあらそうだけど、ちゃんと俺からもみんなに伝えておくよ」 「助かります」 ついで頭を下げて森キャプテンを見れば、なぜか人の悪そうな笑みを浮かていた。 「えっーと、何か質問でも?」 「いやいや、まさか斉藤が明津の味方をするということは、俺達先輩がパンツ一丁になれ!っと言っているのかっと思ってな。で、斉藤四季君も一緒に俺等と仲良く同じようにパンツ一丁でグラウンドで走ってくれるんだよな?」 なるほど、これが気になっている訳だ、皆様。 さっきから、「明津の指示に従うように」と、言えば、なぜか微妙な顔をされて、先ほどからチラチラこちらを窺う様子を見せている部員達。 後半45分のうち35分を明津、残り10分を僕が司令塔MFをする。 それだけでも、僕が不利のように感じるが、ここで僕のこの指示が出るものだから、『賭け』はいいのかっと戸惑っているというところか。 連帯責任で、「1年」VS「2・3・4年」になっているからな。 しかし、ここで私情をはさむものなら…。 「手を抜いた試合をしたら…それこそ、O大学を素で歩くことができないようにしてやりますよ」 ポツッと呟いただけだが、なぜか周りから泣きそうな雰囲気が。 まあいい…それよりも、僕が『今』の明津に負ける? 「ふっ(余裕の笑み)。明津はまだまだ僕の側(レベル)に近付けさせません」 僕の台詞に、1年除く部員達が苦笑いを浮かべるのが見えた。 [■負け][勝ち□] [戻る] |