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LOVE GAME
■Battle.21

 S大学との試合で、グレつつも守備的MFをやらせていただきました!←不満いっぱいな、昴。

 一応、勉強のためっと、後方からチームメイトをチラホラ、守備の時にもDFの位置なんかもチラホラ、見学させていただきました。

 …別に、悪魔コーチ(斉藤先輩)に言われたからって訳じゃないからな!!

 心でそんなことを言い訳しつつ、前半のみんなの動きを頭に入れ、自分が司令塔MFに立っているイメージをする。



 今日のみんなは少し動きが固い感じか?

 チーム編成はうまくいっていると思ったが、動きにまだ無駄があったり、連携に少し誤差がでている気がする。

 しかし、チーム全体としてはこのままの流れでいくほうが………いや、劇的展開を望まないと『賭け』があるし…。

 腕を組んで、ウームっと唸っていると、林が「おい、明津!!」となぜか叫んでいて…。

「ウオッ!あく、斉藤先輩…なんっすか?」

 目の前に悪魔コーチが立っていました。



 オレより9センチ低い悪魔コーチ…目の前にいるのに、まさか見えませんでしたとは言えない。

 童顔平凡な斉藤先輩は、なぜか小声でオレに問いかけるが、これには何の冗談かと考えさせられるハメになる。

「明津、このままの展開を望むか?それとも、お前は劇的展開を望むか?」

「………」

 何かの作戦が監督からでているのか?

 一瞬返答に詰まるが、悪魔コーチは真剣な顔。

 だから、素直に「左ウイングを軸にして、S大の布陣を破る」と、劇的展開のほうを選んでしまう。

 普通なら、1年のヒョッコのこんな発言はきっと通らない。

 しかし、悪魔コーチはなぜか嬉しそうな笑みを浮かべ、「わかった」と頷く。

 何が『わかった』のか?

 オレが聞き返すより早く、悪魔コーチはオレの側を離れて、違う部員に声を掛けて行く。



 この意味がわかるのは、試合後半…。


[■負け][勝ち□]

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