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LOVE GAME
□Battle.14

 新入部員が入って、3週間。

 今日はS大学のサッカー部との練習試合が行われる。

 とりあえず、体力面だけでも使えるように特訓した。

 こう言うのもなんだが、よく脱落者もでず新入生はついてきてくれたものだ。

 2・3・4年で多少はフォローしていたが、それでも脱落者がでなかった最大の原因は…。

「はぁ〜!?何でオレが今日の試合で守備的MFなんだよ!?オレは司令塔としてMFに入るはずだろ!!………はっ!『技術面』がなってないから!?ふざけるな!!オイ!監督、ちゃんと説明しろ!!」

「それは散々説明しただろ―――」

 今日の試合で司令塔MFとしてレギュラーがとれると思っていた明津のせいだろう。



 さすが司令塔向きの性格の明津。

 普段は体育会系で敬語を必死に使っているが、今、文句を言っている状態が、普段の明津なのだろう。

「「「………(俺様だな)」」」

 部員達は、その性格を1日目で見破った(新入部員含む)。

 それでも声に出さず(顔には出ている)必死で練習に食いつく姿に、明津以外の新入部員は「俺様の明津だって頑張っているんだから、自分も頑張ろう!!」という、感情に囚われたからだ。

 さて、僕も監督ばかりに言わせている場合じゃない………これ以上なめられないように。

「明津、高岡監督にそう言われるのがくやしかったら、練習中にそれなりの動きをして『是非、司令塔で入って下さい』って言わせてみろ」

 明津に今日の司令塔MFは無理だ。

 それは、僕ばかりではなく監督、レギュラーである選手全員の意見だ。



 守備的MF………U−17やU−20の日本代表で明津がつかされたポジション。

 今から思えば、このポジションを狙った、幾瀬監督はいいところをついていると思う。

 僕は明津の『最適のポジション』ばかりを考えていたが、このポジションだと、後方から試合全体が窺える。

 まだこのチームで試合慣れしていない明津なら、ここから様々なことを学び次に生かせる。

 もしかしたら、U−17、20の幾瀬監督はこれを狙っていたのではないか?

 そして、明津がこの意図に気付き、やさぐれることもなく続けていたら…。

 だとしても、今それを育てるは、僕や高岡監督………必ず、明津をそこまで導いて見せる!


[■負け][勝ち□]

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