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LOVE GAME
□Battle.8(四季視点)

 O大学1年の19歳の夏、人生を変える映像を見た。

 あれから約1年半が経ち、いまだその人が忘れられず、この大学(O大)に進学しろ!!と、念を送っていたのだが、まさかそれが現実になるとは…。



 僕こと斉藤四季は、この春無事大学3年(21歳)になりました。

 ついで、サッカー馬鹿の竜也も僕のサポートのおかげで、ダブルことを免れた。

 明津昴はあの日以来、世界に出ている姿はテレビで観ていない。

 高校の3年間は、全国に駒を進めるも毎年1回戦敗退。

 それでも、個人としてのレベルが高いのか、U−20のほうで1回召集を掛けられたが、数日で帰らされたとか…。

 U−20の情報は、竜也が真二から聞いたことだ。



 真二………小早川真二は僕の元親友。

 小学5年生の時、真二が僕をクラブチームに誘ってくれて、翌年に全国大会で優勝。

 更に中学も同じで、ともにFWとして活躍…結果、全国ベスト4の成績。

 サッカーに戻ってきた僕だけど、正選手として戻れたわけではなく、いまだに真二に連絡することができない。

 竜也も小学では同じクラブチームで、更には高校も同じだったので、真二と友人関係だ。

 なので、竜也は僕の情報を流しているようだが、真二が僕をどう思っているのか聞くことが怖くてできないでいる。



『四季、今度会う時はサッカーの全国大会で!!』

 都会の学校に転校する前に、笑顔でそう話した真二の顔が今でも忘れられず、更にサッカーが出来なくなった時の台詞が僕の心を重くする。

『どうして、四季!!何があったんだ!?あの日の約束はどうするんだ!?』

 車椅子に乗ったまま真二に電話すれば、悲痛な叫び………どう答えていいかわからず、僕は返事もできないまま叫び続ける真二の声を聞くことしかできなかった。



 暗い思想に陥る前に首を振り、明るい話題を捜すためサッカー部の部室に行くが、次に飛び込んできた情報はビックリを通り越すものでしかなく。

「四季君に内緒にしてたんだけど、実は今日の入学式でうち(O大学)に大物が入って来まーす!!」

 サッカー部の部室で高岡監督のそんな言葉にサッカー部の面々は「誰だ!?」と、声を上げるが、出た名前に反応を示したのは、僕と竜也のみ。

「南高校の明津昴君―――」

 最後まで聞かず、僕は入学式会場に向けて走り出す。

 怪我をした足は思うように動かないけど、嬉しくて………何度か転びそうになっても、ずっと笑ったまま走り続ける。


[勝ち□]

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