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男前なんかじゃない!!
58.初恋の想い出。

 その後、うっちゃんとさっくんは、ぼくを抱きしめたまま「「これからも、友達としてよろしく!☆★」」と、声を掛けられ………思わず、目から涙が溢れました。

 優しい、優しい、うっちゃんとさっくん!これからもよろしくです!

 なんて………和んでいると、ここで、うっちゃんとさっくんはとんでもないことをしてくれる。



 しばらくして、紅茶を飲みつつくつろいでいると…。

 ちなみに、ソファーの座る位置は、なぜか1つのソファーにうっちゃん、ぼく、さっくん。

 ソファーは対面式で2つあるのに、どうしてこの位置なのだろう?

 疑問に思うけど、それより早くうっちゃんに話し掛けられた。

「実は、僕等の初恋は、ソウちゃんなんだよ☆」

「そ、そうなの?」

「うん!振られたのは哀しいけど、初恋の想い出を貰ってもいいよね★」

 ………初恋の想い出?

 ぼくにあげられるもの何かあったかな?このクッションのパッチワークとかいるかな?



 のん気にクッションを抱えつつ、そんなことを考えていると…ぼくの唇に軟らかいモノが………。

 チュッ☆

「うっっっ、うっきゃ〜〜〜!!」

 右側にいたうっちゃんの唇がぼくの唇にーーー!!(※キスされたという意味です)

 思わず、変な悲鳴を上げ、左側に身体をずらすと、さっくんの手がぼくの顎に持ち下げ…。

 チュッ★

「ぎょ、ぎょぇ〜〜〜!!」

 ドスンッ!

 あまりの事態にソファーから落ち、唇に手をあてたまま2人を見ると、スクスク笑っていて………。

「「ごちそう様☆★」」

「初恋の想い出をありがとう☆」

「頑張って、副会チョーを落とすんだよ★」

 優しい、優しいはずの?…うっちゃんとさっくん、ありがとう…なのかな?



 うっちゃんとさっくんからキスされたけど、それほど嫌悪感はなかった。

 これは、ぼくのトラウマが薄れてきているのを意味しているのだろうか?

 それならいいな…。

 今度キスする相手は、もちろん、スイちゃんと!

 そんなことを願いながら、ぼく達はその後しばらく笑い続けた。



 補足…うっちゃんとさっくんのやり取りを真弓先輩に話したんだけど………。(もちろん、キスのことを除いて)

 でも、なぜかいつの間にか尋問され、キスのことがバレてしまった。

 次の日、うっちゃんとさっくんの頬に殴られた痕があり…。

 2人は「自業自得だから…☆」とか、「想い出は痛いくらいがちょうといい★」と、話していて…。

 ぼくを襲った(?)2人に正義の鉄鎚が下った。

 犯人は、もちろん真弓先輩です。


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