男前なんかじゃない!!
32.風紀委員長からの挑戦状。
ぼくが物珍しさからジロジロ風紀委員長を眺めていたら、スイちゃんが慌てて先ほど決ったらしい?話しを教えてくれる。
「会長が、補佐2名をきちんと生徒会の仕事に就かせることができれば、風紀委員からのリコールを撤回してくれるそうです」
へぇ〜、会長が双子補佐の説得かぁ〜、大変だねー………えっ!会長ってぼくぅ〜?
さすがに顔が青ざめました。
ぼくの顔色に気分を良くした風紀委員長さまは、ニヤリッと笑い。
「期限は、1週間以内。もちろん、その期間仕事を疎かにするようなら、問答無用で、俺がお前を会長職から降ろしてやる」
なんて、ありがたいお言葉をもらいまして………。
その後、風紀委員長は、ぼくの肩を叩き「楽しみにしているぜ」と、声を掛けて、生徒会室から去って行った。
これって風紀委員長さまの挑戦状!?そんなの要りません!!
1週間以内で双子がぼくの説得に応じてくれるかなぁー?
1度は顔見せで会ったことはあるけど、それ以外では、まるで接点のないぼく等。
ちなみにその時、みんなで軽く自己紹介したんだけど、ぼくは自分の自己紹介をしたとたん緊張から解放されて………あとの人の紹介は、頭に入っていない。
後日、スイちゃんからちゃんとみんなのこと聞きたんだよね。
そんなぼくが、ぼくが………そんなの無理〜!!
ぼくは、さっそく風紀委員長さまの挑戦状を心の中で破り捨てました。
「とりあえず、結城の当面の仕事は全て私が引き受けます。結城、大丈夫ですよ」
スイちゃんの言葉は嬉しいけど、それでなくても、ぼくの慣れない仕事をかなり肩代わりしていて…身体壊さないかな?
その後、スイちゃんは、補佐の双子のたまり場などをぼくに事細かに教えてくれて………最後なんて、頑張りましょう!って、言われたら…。
うん、ぼく、スイちゃんのために…それに応援してくれる人のために頑張ろうって心に誓う。
そう、ぼくのこんな状況でも応援してくれる人はいる。
それは、体育祭で知り合った、寛治くんや望くん。
ぼくの仕事振りは噂で知っていただろうに…それでも、すれ違うたび「身体大丈夫かですか?頑張って下さい」と、声を掛けてくれる。
それ以外にもぼくの親衛隊とか名も知らない生徒、いっぱい、いっぱい応援してくれる。
………うん、ぼく、その人達のためにも頑張るね。
みんなのためにも…自分のためにも………これを成し遂げたら、ぼくは何か変われる。
そんな気がするから………。
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