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男前なんかじゃない!!
30.生徒会存続の危機。

 新規生徒会立ち上げから2週間が経過した。

 今日も今日とて、ぼくとスイちゃんしかいない生徒会室…。

 ちなみに、生徒会役員のカイリくんと卓磨先輩は、自分の仕事を30分で終了させ、そのまま退室。

 補佐の双子は連絡のないまま、またしても欠席。



 はぅー、ぼくも頑張って仕事を覚えつつあるんだけど、どうもペースがのんびり目で…カイリくんのようにテキパキできなんだよね。

 のんびりやるのは、昔のクセかな?

 そう言えば、成長期がはじまったのは去年の今頃だったなぁー。

 あの頃は、ぼくが生徒会に関わるなんて考えたこともなかった。

 そんな去年のまでのぼくを思い出している時、スイちゃんが1枚の紙を見つめて、呟いた。



「早い。なぜこんなに早く………」

「えっ、何が?」

 あまりにも深刻そうに紙を見つめるスイちゃんが心配になり、その紙をぼくも覗き込んでみる。



【生徒会役員に通知。これ以上、生徒会運営を疎かにするなら、風紀委員で生徒会役員全員のリコールを検討する。※それがイヤならちゃんと仕事しろー!! 風紀委員長、2−1蘇真弓】



 これって、ぼく達をリコールして生徒会役員を降ろすっと、言うこと?しかも、最後の【※それがイヤならちゃんと仕事しろー!!】は、手書き?

 えぇぇーーー!!ぼく、ちゃんと仕事しています!風紀委員長さまぁ〜〜〜!

 一瞬、素でうろたえて、目をせわしなくウロウロさせていると、スイちゃんがぼくの肩を叩いき落ち着かせてくれる。

「結城、大丈夫です。この頃は、結城も仕事に慣れてきて、私の手を借りずとも進めることが増えてきたじゃないですか」

「じゃ、何でこんな通知が来るんだ?」

「それは………」



 スイちゃんは、言い淀んでいたけど、ぼくに黙っているわけにもいかなくて理由を話してくれた。

 要約すると…カイリくんは、学校中に聞こえるようにぼくの無能さを話して批判しているらしい。

 ちなみに、いつも一緒にいる卓磨先輩は、その話しを否定も肯定もしてくれないらしい…。

 しかも、補佐の双子は、生徒会補佐という権限を使い授業を放棄して、屋上や保健室でお昼ね(1日中いることもあるので、お昼ねとは言えないかも)。

 挙句の果てには、暴力行為を働いている不良さんに声援を送ったりして、その行為を眺めているなど…。

 まだ他にも色々ありそうだけど、スイちゃんは、これだけ話してくれた。

 いや、これだけでもぼく泣きそうです…。

 補足、なぜぼくが上記↑の噂を知らなかったかというと、会長の仕事を覚えるのに忙しく、学園内では、ここしばらく生徒会室しか来ていなかったから…。



 そして、この生徒会役員の行動を把握しているらしい?風紀委員は、さすがに見て見ぬ振りをする訳にもいかず、こうして通知してきたと………。

 生徒会会長を降りるのは、かまわないけど…。せっかく、仕事も慣れてきたのに…。

 はぅぅー、やっぱりぼくには会長は無理だったか…。



 そんなことを考えていると、生徒会室の扉がノックされ、ぼくの返事も待たず………不良さんが入ってきました!

 何これ!もしかして、殴り込み???


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