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男前なんかじゃない!!
19.体育祭と生徒会選挙。

 10月某日、体育祭の種目を決めるHRにて…。

「結城君は、生徒会会長に推薦されています。そのため、体育祭では赤組の団長に決まり、体育祭は欠席できません」

「はぁ?」

 思わず、素で対応してしまうくらい、なにそれ?っと、目を見開いてしまう、ぼく。

 この呪いのような言葉を発しているのは、1年1組、学級委員長であるスイちゃんだ。

「おれには関係ない」

 内心動揺しつつも、兄姉に鍛えられた性格改造のせいで、冷静に対応する。が、はっきり言って、ここで自分本来の性格を披露してこの動揺を表したい!!

 こんな風に→『何で、生徒会会長さんに推薦されているの!?しかも、それがなんで体育祭の団長さんに繋がるの!!そんなの変!!しかもヤダ!!絶対出ないからねー!!』

 と、言えたら、どれほどいいか………。



 そんなぼくの心の動揺を感じ取ってはくれない、スイちゃんは、その後、色々説明してくれるのだけど…ぼくは心の中で泣きながら、次々と恐ろしい話しを聞くことになる。

「体育祭では、3人の団長を決めます。その際、その団長が新生徒会会長の候補者となります。そして、体育祭で優勝した組の団長が強いリーダーシップを取れると証明され、生徒会会長に決るのです」

「おれは立候補してない!」

「結城君の場合は、先生方の推薦枠です。ちなみにあとの2人は、立候補と友人の推薦です」

「先生の推薦?」

「はい、今回は2人しか会長候補者が現れなかったので、残る1名を先生方が決めたそうです。結城君の場合は、成績や学園内での人気を考えて決めたのでしょう」



 先生方の馬鹿ーーー!!そんなんで、ぼくに決めないでよ!!

 しかも、兄姉に言われたとおりしているのに、何でぼくに人気が出るんだよー!!兄姉の嘘つきーーー!!←兄姉に言われたとおりしていれば、人気が出ないと言われていた。



 その後、ぼくは赤組の団長に決まり、出る種目は最終種目のリレー(アンカー)に決った。と、言うか、これは、会長候補の人は強制で出なければならないんだって!

 ぐっすん、ぼく走るの遅いのに………これで、ぼくの四ツ谷学園での生活は終わった…。

 それでも1つだけ良かったことがあった。それは、ぼくがお友達になりたいと願っている学級委員長のスイちゃんが赤組の副団長に決ったこと!

 ちなみに副団長の人は、自動的に優勝が決ると生徒会副会長に決るそうだ。

 スイちゃんは、ここ四ツ谷学園中等部の出身で、去年は副会長をしていたんだって!

 やっぱ、スイちゃんは、きれかっこ良くてすごいよねぇー。

 ぼくも中学生の時生徒会室に行ったことあるけど、いつも生徒会役員に可愛がられて、おやつをもらって食べていただけだ。仕事なんてしたことない。



 もしかしたら、この体育祭で、スイちゃんと仲良くなれるかな?………と、ここで、まったりしている暇はない!兄姉とこの対応をどうしょうか話し合わなくっちゃ!

 その夜、寮の部屋にて兄姉と相談することを決めた。←ぼくだけの力でどうにもできないから。


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あきゅろす。
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