喚ばれてみれば…
18.セレス。
白龍王の言葉で圭は、固くなる身体を弛めることができたが、それは一瞬だ。
「もし、オレがまた暴走したら、オレの名を呼べ」
「えっ!?名って、たしか『せれしゅしゅ』、イタっ!」
「『セレシュティス』だ!」
「す、すみません!!『せれすすしゅていす』」
「発音も違う!正確に『セレシュティス』だ!」
「ひゃ!ごめんなさい!『せしゅれす』」
「―――!!」
「――」
数分、2人こんなことを繰り返し、最終的に。
「セレスさん…」
「仕方がない、それでいい。だが、『さん』はいらない」
「セレス?」
なぜか圭がそう疑問系で呼ぶと、白龍王はそれでいいとばかりに圭の頭を撫でる。
それは、出来が悪い生徒を褒める先生っという感じなのだが、圭としては好意がある白龍王にされたのでは、なんとも気恥ずかしく顔を赤く染めながらそれを受け入れるしかない。
一方、漸く白龍王の名を呼べて、ほっとしている様子の圭をおもわず撫でてしまった白龍王だが、気付けばその手を止めることができなかった。
圭の髪質が思っていたよりも肌触りのよいサラサラだったからなのか、はたまた、撫でれば撫でるほど圭の頬が赤く染まる様子が面白かったからなのか。
「圭、これからはずっと、そうオレを呼べ」
圭にそう言った白龍王はなぜか心が温かくなる何かを感じていた。
拷問開始…ではないのだが、美形な白龍王様に「それでは、圭、うしろを解かすので、うしろを向いて尻を出せ」と言われると、泣きなくなった。
自分でできないことは圭自身わかっていたが、これが恋心を抱いている美形な白龍王様にされるとなると…いや、それでも誰かにやれるというのは、とても恥ずかしい…。
これを機会に、自分でできるようになろう!と、全神経を白龍王に向けるが、これがまさしく羞恥を含む時間になるとは、圭も考えていなかった。
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