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喚ばれてみれば…
10.圭が目覚める、少し前。bP

 黒姫巫女と神殿長官のトトリスカスマイルが圭に(言語が通じる)魔法をかけたところに、話しは少し戻る。←圭はいまだにお休み中。



「黒姫巫女様、この魔法………何やらおかしな感じがするのですが…」

 長い髭をトトリスカスマイルが撫でながら言うと、黒姫巫女は「当然じゃ」と腹をつき出し腰に手を当てる。

 呪文の開発に携わったトトリスカスマイルだからこその違和感だが、はっきりとはわからない。

 それは、同じ部屋にいた眠る人間以外の白龍王、モッティーハ、ダウリート、ロイナスハートにも、当然ながらさっぱり感じることはできなかった。

 しかし、理由を知る黒姫巫女は得意げな顔で、腰に手を当て腹をつき出した姿で答える。

「この人間は、『異世界の人間』じゃ!!」

「「「はぁ(へぇ)?」」」」

 皆、ビックリするよりも、何を言っているんだといった感じで、黒姫巫女を見つめるしかない。



「そもそも、この人間の気は清浄すぎるのじゃ。まぁ、これもこの人間が特別なれば話は別じゃが。それにしても、本来同じ界であった、わらわ達と人間とは少しではあるが同じ気を感じられる。しかし、この人間からは一滴もわらわ達と同じ気が感じられない」

 黒姫巫女はその違和感に、先ほど、神の祈りを捧げている際確認をとり、はっきりと分かったと胸(腹)を張る。

「「「………」」」

 龍族達が憎しみを抱いている人間………しかし、この人間は『異世界の人間』であって―――。

 皆が沈黙する中、モッティーハは。

「これは、予想外でしたね…。しかし、人間であるからにして…」

 続く言葉は、それでも『憎む存在』なのか、それとも、『敬うべき、白龍王のつがい』とすべきか…。



 またしても、緊急的に白龍の主だった役職の者を集めての会議を開かなければならないだろう。


[★逆召喚][召喚☆]

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