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喚ばれてみれば…
01.命の刻限(1)

 この世界に来る前、僕…白波瀬圭(しらはせ けい)、15歳は、自分の命の期限を知る。



 日本、2○○○年、冬。

「圭君、落ち着いて聞いてくれ。………君の海外での臓器移植ができなくなった」

「えっ?」

 病院内で生活しているため、季節感を味わうことができないはずなのに………その時、僕は冷たくなる身体を必死に抱きしめることしかできない。



 生後1週間も経たず、心臓に疾患があると宣告された。

 それから、数日後、手術を受けるも回復の兆しはなし…。

 その後、一度も退院することもなく、僕は病院で過ごすことになる。

 10歳、再度、身体にメスを入れるも、事態は更に深刻であり、何億人の1くらいの確率で発症する重い病だと宣告された。

 この時、一度20歳まで生きられないと命の刻限を知らされたが、助かる道も示された。



 僕の助かる道は、ごく細い1本の線………心臓を正しい音に戻してくれる医師は海外にいた。

 モズリー医師、心臓の手術、とりわけ心臓移植のスペシャリスト。

 僕の助かる道は、心臓移植を受けること。



 しかし、当時10歳で2度目の手術に耐えた僕の身体は、もうボロボロだった。

 激しい衰弱、昼夜問わず生と死と隣り合わせの日々。

 何度、泣き出し逃げ出したいと思ったことだろう…。



 僕に生きる力を与えてくれたのは、目覚めるたび目に飛び込んできた、涙を浮かべている両親や妹の顔。

 それを見ると、まだ死ねないっと、思った。

 何もこの世界で残せていない自分…どうせ死ぬなら、『僕がここいた証』を立てたい!

 今から考えてみると、可笑しいくらいの強い想いだった。

 2年後、12歳で、やっと生死云々の状況から回復した。が、とてもじゃないが、心臓移植など受けられる身体ではなく、更に3年の月日が流れる。



 15歳、やっと病院側からも、そして、モズリー医師両方からO.K.をもらい、モズリー医師がいるアメリカに行けるようになった。

 その後、モズリー医師のスケジュールの都合で、1週間後に日本を立ちアメリカで手術することも決り、僕はこれで生きる未来を掴んだはずだった。



「その日は、盛大に見送りをするからね!!」

 医師や看護師達の言葉に泣きながら笑った。



 …しかし、この時、僕の幸運は尽きたのだろう。


[★逆召喚][召喚☆]

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