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喚ばれてみれば…
00.プロローグ

「あっ、あぁぁぁん、あっ、ぁっ………」

 激しく揺れるベッド………僕の快感か苦痛かわからない声に、美丈夫の男の鋭い視線がぶつかる。

 怖いくらい鋭い視線………恨まれている…。

 でも、なぜ?



 僕に覆いかぶさり、無心で腰を振る男に恐怖を感じる。

 この男と逢ったのは、これで3回目。

 1日1回現れては、僕の意志とは関係なしに無理やり身体を開かされ行われる行為に、こちらが恨みたいくらいなのに…。



 哀しみで心が揺れる…。

『恨んでしまえばいい!!こんな世界などいらない!!』

 どこからか声が聞こえた気がした。

 暗闇の中、目を凝らすと部屋の至る所に張り巡らされている赤黒い無数の糸が見える。

 血の色より濃い色。

 『ここに来てから』見慣れた光景だが、嫌悪しない日はない。

 見ているだけで、不の感情が生まれる。

 心の奥底で「怒れ」、「恨め」、「憎め」と、普段の僕なら考えないことを………いや、今だからこそ考えているかも…。



 ベッドが軋むたび、僕の心臓が激しく痛む。

 ドクッ、ドクッ、ドックン………。

 不規則に聞こえる心臓の音に僕は言い聞かせる。

「お願いだから、元の世界に還る日まで止まらないでくれ」

 と…。

 きっと、この願いは叶わない。僕にはそれが痛いくらいわかる。

 涙が溢れる。

 泣く行為は、今の僕の身体には良いことではないが、止まらない。

「*****」

 美丈夫の男は僕にわからない言葉を話し、更に僕の中を激しく打つ。

「あっ、ぁっ、うっっ、あぁぁん………」



 どうしてこうなったのだろう?

 ただ僕は、僕が生きていた証が欲しかっただけなのに………。

 こんなこと望んでいない。



 どうして、僕は『この世界』にいるのだろう?


[召喚☆]

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