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喚ばれてみれば…
18.召喚術開始。

 神の啓示から12日目。

 神殿内にある噴水広場には、神官12名が噴水を囲むように佇んでいた。

「これより、人の子を召喚する。神官6名は呪文を、残り6名は神に祈りを捧げる」

 淡々と告げる神殿長官のトトリスカスマイルも召喚術に参加する1名だ。

 白龍王と宰相のモッティーハ、医者のダウリートもこの場にはいるが、召喚術が行う時には、この場を退出しなければならない。

 トトリスカスマイルが、『召喚術』に参加する者以外の意志が入るのは良くないっとの発言でそうなったのだが、白龍王は責任があり心配げに皆を見つめる。

「白龍王、大丈夫ですよ。何かあった場合、ここにいる神官以外にも待機していますし、もちろん、人の子以外が喚び出されることも想定し、兵も待機させています」

「『召喚術』を行う神官達に怪我があったとしても、俺と息子のロイナスハートが何とかしますから、大丈夫ですよ」

 モッティーハとダウリートが交互にそう言い、白龍王を力づけるように頷く。



 若くして王になってしまった白龍王が、初めて大きなことを決断したこと。

 正しいことだと自分は信じているが、もしこれが間違いだったら…と、迷いが生じる。

「白龍王…進みましょう。迷うのであれば、皆一緒に考えます。ですが、このまま停滞するよりは、まずは一歩を踏み出すのも良いのではないでしょうか?」

 原因がわからないこの混沌とした世界に、初めて光のように降りた神の啓示…。

 モッティーハの言葉に大きく頷き、白龍王の声が上がる。

「これより、『召喚術』を行う。神官達は私達が立ち去ったのち、行動を開始せよ!」

「「「はい!!」」」

 神官達から声が上がり、いやがおうにもこれから行われることに緊張が走る。

 トトリスカスマイルは、白龍王を勇気づけるようにいつものように長い白髭を撫でながら笑顔で退出を促す。

 これに、白龍王は先ほどの迷いなど嘘のように、大きく頷くことができた。


[★逆召喚][召喚☆]

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あきゅろす。
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