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喚ばれてみれば…
13.喚ぶ。bP

 白龍王の許婚のパルパナバーツリの件を置き去りにし、大問題が発覚した。

 人の子が『いつ』ここ(白の国エーシャー)に来るのか!?ということに…。

 現在、白の国エーシャーに「気長に待つしかない…」とは、言えない状況なのだ。

 『呪われし世界を救う人の子』が、早急に欲しい!!

 もしかしたら、この異常な石化した卵が産まれる状況を打破してくれるのが、その人の子ではないのか?

 そんな淡い期待に胸を膨らませている状況の中、あと10年…いや、100年?待つとは、言えないのだ。

 たとえ、憎むべき人の子であっても…。



「結界を解いて、人間界に行きますか?」

「いや、待て!!行ったとして、どうやってその人の子を見つけるのだ!?目印などあるはずないではないか!」

「そもそも、結界は龍王達の許可なく解くことはできない!白龍単独で、人間界に渡ることは不可能だ!」

 もっともな意見が多発するが、そもそも『降り立ちあらわれん』というのであれば、自然に待つしかなく、神の目印付きの人の子を捜すなど不可能に近い。



 ここで声を上げたのは、神殿を統括する神殿長官のトトリスカスマイル。

 長い白髭を右手でいじりながら、思案するように呟く。

「神のご意志があるのであれば、その『人の子』をこちらに喚ぶことはできないだろうか?」

 トトリスカスマイルの声はこの場では小さいくらいであるのだが、なぜか皆の心に響いた。



 神の啓示は、この世界を救うもの…ならば、多少強引であっても、神は答えてくれるのではないか?

 もはや、この時の白龍達は藁にもすがる気持ちだった。

「り、龍人界と人間界の結界があっては、転移魔法は使えない…。そ、それに、転移魔法は事前に了解した場所で形成されるもので、先の大戦の折、全て消去したはずです」

「いや、どこかにほころびが必ずあるはずだ。一つくらい転移魔法の形跡があると過程して、その場所で神に祈り、『人の子』をこちらに呼び寄せることができるのではないか?」

「だとしたら、残されている可能性があるのは…」

「いや、待て!統一だった界を強引に二つに分けたのだ、結界がある今、転移魔法を使えるはずはない!!」

「ならば、転移魔法以外何があると?」

「「「………」」」

 結界は強固であり、転移魔法が使えない…それは、白龍達も承知しているが、それでは打てる手がおもい浮かばず、皆沈黙する。


[★逆召喚][召喚☆]

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あきゅろす。
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