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うさぎの初恋
◇16.素朴な疑問。◆

◇◆【里美ゆり視点】◆◇

「育ちゃん、育ちゃん」

「なんだ?」

「なんかあの状況であまり聞けなかったんだけど、風間先輩がいきなり出て来ても、なんでみんな驚かなかったの?しかも、オウムまで突然出て来るし…」

 只今、うさぎ先輩の行方を捜すべく、旧校舎に向かっている。

 道すがら、幼馴染の城ケ崎育義…育ちゃんにそう質問するが、回答は疑問だらけでした。



「ああ、あそこは『くノ一同好会』だからな」

「『くノ一同好会』だから、どこから現れても不思議はないとか?えっー!そんな馬鹿な話し―――」

「天井裏と床下から出て来るのは基本らしいぞ。前に池から現れた時は、さすがに理事長の鯉にイタズラしたものと思われて怒られたらしいが、それ以前にも―――」

 聞かなきゃよかった………のかな?

 凄いストーカー?みたいになっているくノ一同好会。

 思わず、自分のラクビー部の親衛隊と比べて、まだこっち良かったのではないかと思ってしまう。



「それでも、学校外ではその行為をやめさせているらしいから。だから、兎三山が心休まる場所は学校外に出るしかない」

 最後に育ちゃんは「少しかわいそうだかな」と呟いたが…。

 でも、よくよく思い出してみると、育ちゃんのところの親衛隊って、たしか学校外も警備対象になっていることを僕は知っていて…。






 どちらにしても、生徒会役員の親衛隊は奇人変人の集まりだということに、里美ゆりは気付いていない。

◇◆◇◆◇


[*の後退]の前進*]

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あきゅろす。
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