うさぎの初恋
◆37.罰則。
現校舎側の講堂に着いた時、この場所にいたのは、問題を起こした俺達だけではなかった。
当たり前かもしれないが…。
旧校舎側には非常ベルが鳴り響き、割れた窓ガラスからは、スプリンクラーが作動しているのが確認できた。
もちろん、非常ベルが鳴ったからには、消防車数台が来ているが確認でき………講堂が避難場所として、学校に残っていた生徒や教師達が集められていた。
火災状況としては、あの爆発にもかかわらず、スプリンクラーが素早く作動したおかげで、家庭科室や廊下が焼けただけで済んだようだ。
それを喜ぶべきなのだが………。
「さて、兎三山会長。この事態はどういうことなのかな?」
こう問いかけられたのは、英修学校の現理事長。
口調は穏やかだが、額にありありと浮かんでいる『怒りマーク』がそれを裏切っている。
なぜ、いの一番に俺に質疑しているのだろう?
なんて、愚問な疑問はしなくていい。
その理由は、からくり仕掛けの旧校舎を作ったのは、現理事長の父親で、その父親から旧校舎のありとあらゆる仕掛けなどを尋問…ではなく、教えてもらい、且つ、旧校舎には生徒に見つからないように隠しカメラが存在していることを俺達生徒会は容認していた。
なので、当然、あの床下の通路から逃げ出ている様子も理事長はどこか観ていたのであろう。
「すみません。私がいながらこのような問題を起こしてしまい、反省しております。この件に係った生徒には罰を…もちろん、生徒会役員も同罪で―――」
「「「えっっーーー!!」」」
話しの途中で、里美やうさぎの制裁に係っていなかったの親衛隊が絶叫しているが、連帯責任ということで我慢してもらおう。
城ケ崎先輩など、諦めの境地に達しているのか、ため息1つでいまだ水溜りが出来ている旧校舎家庭科室を見つめている。
もちろん、この絶叫の中にうさぎもいるが、城ケ崎先輩から『粉塵爆発』の起こし方を聞くと、うさぎの小麦粉撒き&長耳親衛隊副隊長の銃型ライターが原因と教えられ…。
あとで、うさぎによくよく聞かせて、今度ばかりは反省してもらおう!!
[*の後退][の前進*]
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