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うさぎの初恋
◆23.長耳キレる。

「君達、私の親衛隊だというのに、そこを退かないっということは………覚悟はできているんでしようね」

 ニッコリ、微笑みを見せている長耳ではあるが、それをまじかで見てしまった、俺達(朱里、雄介、ゆり、育義)は、顔を青ざめてしまう。

 黒い…長耳の笑みが完璧に作られたものだと理解でき、周りの空気もひんやり冷たくなるのを素で感じられた。

 さすがに、これでは長耳の親衛隊と言えど、退かずにはいられないだろう………と、思うのだが、長耳の(黒い)笑みを見たはずの親衛隊は。

「長耳様の黒笑み…(うっとり)」←とても嬉しそうに見つめている隊員。

「久々に拝見しましたが、いつ見ても素敵です(ハート)」←顔を赤く染めている隊員。

「これは、好野隊長に写メられば!!(パシャ)」←ケータイで写メを撮っている隊員。



「「「(怖い!!)」」」

 俺達は、なぜか鳥肌を立ててこの馬鹿者(長耳の親衛隊)共を見てしまうが、長耳は平然とし、次々と会話し続けていく。

 ある意味、この光景を平然としている長耳が一番怖いっと思ってしまった、俺ではあるが、長年の長耳との友情でそれを考えないようにする。



「副隊長のあなたがいるということは、好野君は、うさぎ君のところですか?」

「長耳様、さすがです!正解です!!」

「私達の足止めまでして、うさぎ君と何を話したいのですか?」

「………確か、長耳サマの歪んだ顔をもう少し見たいから、猫屋うさぎをもう少しいじめてみたいとかなんとか、好野隊長はそうおっしゃっていましたが…」

「なっっ!うさぎになんてことを!!」

「朱里、うるさい!私の話しの邪魔をしないで下さい!!」

「す、すみません!!」

 うさぎの名が出たので思わず声を上げたら、なぜか長耳に怒られ素直に謝ってしまう。

 長耳は、俺に声を上げることはそうはない…相当、親衛隊を頭にきているんだな…。



 でも、頭にきているのは長耳だけではない!!

 しかも、好野がうさぎのところに向かったというのなら、早く助けに行かなくては!!

 実力行使!身を守るために護身術などは一通りできる。

 長耳には悪いが、ここでチンタラしていられない!!

 意を決して、親衛隊を蹴散らすために足を向けようとするが、ここでうしろから肩を掴まれる。

「兎三山会長、ここは立川先輩に任せましょう。それに、うさぎのことです、きっと大丈夫ですから…」

 草間のこの言葉に少し冷静になれた。

 草間自身、うさぎの親友ということで心配しているはずなのに、俺が一番動揺してどうする。

 俺の行動を心配げにしている、里美と城ケ崎先輩も同じように頷いているのが見えて、長耳の背に向かい「長耳、早く片を付けろ!」と、声を上げることで親衛隊に向かうはずだった足はその場に留まることができた。

 うさぎ、無事でいろよ!!


[*の後退]の前進*]

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あきゅろす。
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