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うさぎの初恋
◆21.副会長親衛隊。bQ◇

「書記親衛隊でもあるPC同好会に猫屋うさぎを調べてもらった結果、面白い情報が手に入ったと思ったのに…」

「猫屋うさぎと兎三山朱里会長は、幼稚園・小・中と全く接点なし。高校での出会いが初と言ってもいい?だったけ?」

「でもさー、所詮、兎三山朱里会長と猫屋うさぎのことだよね…。だったら、別に制裁なんて…」

「兎三山朱里会長と立川長耳副会長は親友だよ!!だから、必然的に猫屋うさぎが近づいているのは間違いないし!!制裁は必要だったよ!」

「でもさ…今回ばかりは、制裁も結局できなかったし………しかも、長耳様は大激怒しているはずだから、もしかして、もう少ししたらここに押しかけてきたりして…はっははは(乾いた笑い)」

「「「!?(完璧ヤバい!!)」」」



 ここにきて、副会長親衛隊は猫屋うさぎに対する制裁問題を議論し始めた。

 だが、ここで隊長である好野が笑い声をあげると、副会長親衛隊の空気がピリッと締まる。

「ふっふふふ。別に猫屋うさぎがどうなろうともいいんだよ。これで、ボクは長耳様と勝負ができるからね」

「た、隊長ぉ〜〜〜」

「情けない声は出さない!!大体ここ英修の親衛隊は、恋愛感情より、ボク等が選りすぐりの優秀な人材(親衛隊)だと見せつけ、将来上流階級の会社で、上部に潜り込めるようにするためにできたとものだと知っているでしょ!!」

 好野の言葉に隊員もここで、おずおずっと頷く。



 英修は優秀な学生が集まる社交場と言っていい。

 そして、その上にいる生徒達に親衛隊があるのは、恋愛感情そっちのけで、今の自分を売り込むことを第一に考えるほうが強い。

 普段であれば、上流階級の特進クラスの生徒となると、容易には近づけないが、親衛隊なら別だ。

 庶民クラスのDクラスなど、全く接点がないが、親衛隊を期に卒業後は、片腕となった生徒が数多くいる。

 そして、そのシンデレラストーリーの展開が多いのが、ここ『演劇同好会』なのだ。

 もちろん、そのような事情があっても、長耳に憧れや敬愛がないとは言わないが、その特殊事情がよりいっそう歪ませまくっているのが、好野だ。



「でもね〜。ボクに出し抜かれる長耳様のあの歪んだ表情を見るのが、ボクは大好きなんだよねぇ〜。だ・か・ら、もうしばらく、猫屋うさぎ君をいじめてみようかな〜」

「「「………(うっわあぁ〜、隊長の顔がキラキラしているよ!)」」」

「まずは、生徒会の足止め!!副隊長を筆頭に何が何でも、旧校舎家庭科室には近づけるな!」

「はい!!」

「猫屋うさぎ+他の親衛隊の皆様は、ボクが直接行く!!二手に分かれるけど、みんな『演劇同好会』だという自信を持って、強く行動するように!!」

「「「はい!!」」」



 こうして、好野隊長のこの言葉で、副隊長親衛隊の方針が定まった。


[*の後退]の前進*]

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あきゅろす。
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