うさぎの初恋
◆20.副会長親衛隊。bP◇
◇◆【副会長親衛隊&演劇同好会視点】◆◇
「隊長、どうやら我々の計画が、猫屋うさぎによってめちゃめちゃになっているみたいですぅ〜〜」
「そこ、ビブラートが甘い!!」
「………(隊長、泣きながら報告しているだけなんですけど…)」
涙目の平隊員は、好野の言葉に何とも言えない表情をするが、気を取り直して詳しく報告し始める。
ここは、演劇同好会の部室だが、副会長親衛隊室でもある。
鬘や衣装、台本が壁際に閑散と並べられ、それだけ見ればとてもではないが、ここが英修一煌びやか集団と思われている演劇部だとは思われないだろう。
整理整頓などより、自分の容姿………という傾向が強いのか、くノ一同好会とは真逆のこの会は、平凡君が入会しても数分後には、美形君に変身させられるっという会でもある。
ちなみに、美形君になれる理由は化粧のせいとか、ハリウッドも顔負けの特殊メイクくみたなものらしいのだが………これは、密かな英修の七不思議だ。
そんな平隊員が持ってきた情報は、かなり脱線しまくりの展開であり、他の副会長親衛隊員も絶句せざるおえない。
副会長親衛隊&演劇同好会の作戦としては。
1.ウサギもので猫屋うさぎを呼び出し、人気のないところに誘い込む。これは、会長親衛隊にやらせる。
これは、成功。
2.ここで、書記親衛隊も加わり猫屋うさぎを完全包囲し、兎三山朱里様の幼馴染云々の嘘を暴く。
半分成功?
3.最後のシメで、会計親衛隊が猫屋うさぎに肉体的制裁をすれば、完了のはずだが………。
3は、まるっきりの失敗。
「―――最終的に猫屋うさぎは、ボク等副会長親衛隊以外の親衛隊と和気藹々と楽しそうに、旧校舎の家庭科室に向かいました!」
報告を持って来た平隊員は最後まで言い切ったが、聞く側であった他の親衛隊は、自分達の考えた作戦が、どうして失敗に終わったのか、頭を悩ませる。
「作戦自体は良かったんだよね…」
「やっぱさぁー、PC同好会の調べたものをもう少しねつ造して、過激にしたほうが良かったんじゃ…」
「それは無駄!!PC同好会を味方につけちゃったから、正確な情報は全て把握されているし、それに、今回の兎三山朱里様と猫屋うさぎの関係性が崩れたのは、PC同好会のおかげだから…ねつ造なんかしたら、こちらのほうが被害甚大になるよ!」
「でも、このままでいくと、立川長耳様がお怒りでここに押しかけてくるかも…」
この言葉に副会長親衛隊は、顔を青ざめなるが、隊長の好野だけは静かに微笑みながら隊員達の言葉に耳を傾けているだけだ。
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