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うさぎの初恋
◆10.親衛隊。bR

 1年S組、里美ゆり(さとみ ゆり)、生徒会会計。

 学校ではチャラ男として高校デビューしたのだが、なぜかムキムキメン達に好かれてしまう。

 それは、中学時代に英修に頻繁に訪れては、城ケ崎先輩にオカン的なことをして、それを見た者が好意を抱いた結果ではあるが、当人は全く気付いていない。

 ムキムキメン達の正体はラクビー部員だが、兼任して生徒会会計親衛隊として活動中。

 英修の運動部は、1回戦負けが常連なのでラクビー部もその例にもれず、練習時間より日々、暑苦しい情熱(熱愛)を里美に注いでいる。

 その一番格上なのが隊長である香山(こうやま)さん(3年)であるが、里美のすることを何でもニコニコ笑顔で許可してしまうので、「ラクビー部のユニホームの色をピンクにしろ!」と、里美の無理やりの命令にも、「はい、御母様(おたたさま)」と、言って素直に従ってしまう………困ったさんだ。

 ちなみに、里美はラクビー部に「御母様(おたたさま)」と、呼ばれるのは理由がいくつかあるが、色々あり過ぎるので、オカンな性格のためっとしておこう。



 もちろん、生徒会会計親衛隊の中にも可愛い子は存在しているが、はじめはマネージャーとして所属していても、1ヶ月も経たずムキムキメンに変身してしまうから(※強制的に練習参加させられているがため)、現在は変わり果てた姿になってしまっている。

 なので、生徒会会計親衛隊のカワイコちゃん達は、『顔は可愛いが脱いだら凄いんです!』を実践している集まりだ。

 里美曰く、英修に入学したらカワイコちゃん達(男)をはべらせる予定であったらしいが、その夢は現在はるかに遠い。






「書記と会計の親衛隊の動きは不明…。それじゃ、言わなくてもわかる気がするが、長耳のところは?」

 過激派として、ウラではとても有名な長耳の親衛隊。

 これは聞くまでもなかったようで、長耳は苦虫をかみ潰す表情をし、城ケ崎先輩と里美は今更それを聞くのか?っと目で問いかけるように俺を見つめる。



 2年S組、立川長耳、生徒会副会長。

 その鉄壁の守りが、演劇同好会兼生徒会副会長親衛隊。

 隊長の好野(よしの)2年をはじめ、可愛い顔立ちの子が名を連ねているが、見た目に反してその活動内容は過激だ。

 しかも、進学校ならではのその頭脳と美貌で、学校の裏事情を知らないものは、そのようなことが行われていることを知らない。



 演劇同好会…なまじ演技だけならいいが、それを活かし活動されると、どうにも生徒会とはいえ手が出せない。

 生徒会一、人の裏を読み先手を打つことが得意の長耳であっても、3度に1度はやはり出し抜かれてしまうとかで………。

 一瞬、未来(さき)のことを考え、兎三山のどこかの企業にスカウトしてしまおうかと本気で考えてしまう。


[*の後退]の前進*]

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あきゅろす。
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