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うさぎの初恋
◆08.親衛隊。bP

 生徒会室に響くキーボートを叩く音、紙を擦る音。

 普通であれば決して耳障りではないはずだが、今の俺にはそれがうさぎの制裁期日を迫る音にしか聞こえない。

 長耳は早めに対処するようにっと薦めているが、対処法がその長耳をはじめとした各生徒会役員の親衛隊であり、皆の意見を聞かなくてならないだろう。

「私のところが一番危険分子が多数いますが、どうやら今回は生徒会役員全員の親衛隊が共同であたっているようです」

 調査書を受け取る際、珍しく眉を下げている長耳の台詞に、俺でさえ同じように眉を下げたくなる。

 それほど、奇人変人の親衛隊に近付きたくはないのだが…今はそうも言っていられない。



「突然だが、今現在の親衛隊の動きを知りたい。各役員の親衛隊に連絡はとれるか?」

 俺の突然の言葉に、長耳は眉を寄せ、会計である1年S組、里美ゆり(さとみ ゆり)は首を傾げて考えるそぶりを見せる。

 残る書記は手に持つ万年筆を机に置き、はじめに自らの親衛隊について話すが歯切れは悪い。

「悪い、この頃二輪車の練習で忙しく、親衛隊の動向はわからない」



 3年S組、城ケ崎育義(じょうがさき いくよし)、生徒会書記。

 学校内では、教師達の信頼も厚く、生徒達の間では『兄貴』と慕われているが、その実、かなりの天然クンだ。

 そのため、親衛隊の活動はマニアックなモノがついており、書道部愛好会&PC同好会会員が親衛隊員として、『書記サマ、守り隊』などとして活動している。

 ちなみに、書道部同好会は城ケ崎先輩がPCを使わず手書きで書類を作製するため、代筆をするのが生きがいになっている。

 何気に代筆文字が城ケ崎先輩の字を模写しているのが怖い…。

 書道部愛好会兼書記親衛隊隊長の中林さん(3年)なんて、数字の癖字まで模写するので、ある意味マニアックすぎてあまりお近づきになりたくない。

 それにプラスするように書記親衛隊は、もう一つPC同好会があり、こちらは本当に『守り隊』のようで、つねに監視カメラで城ケ崎先輩を追っているらしいが、真相は………知らない方が良いだろう。

 PC同好会兼書記親衛隊隊長は、自分を『アラン・ケイ※』(3年)と呼称しているが、黒髪黒目の純日本人だ。

 本名ももちろん日本名ではあるが、PC同好会は頑固として自分達のつけた呼称しか認めず、学校側としてもテストの時に本名を書くことで、半ばしぶしぶ諦めている。

 親衛隊の活動も温厚なので、城ケ崎先輩も親衛隊の管理に対してはそれほど力を入れていない。←というか、見守られている側なのでね…。



 ※『アラン・ケイ』は、アメリカの計算機科学者です。詳しくはインターネットなどで調べてね。名言とか面白いよ〜。


[*の後退]の前進*]

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