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うさぎの初恋
◇02.高校生活。

 そして、当然受験が終わる頃には、完璧ぼくの身体のカラーは白(廃人色)だったし、中学の先生陣はたしかに灰になっていた。

 ついでに、勉強で迷惑をかけまくった(勉強を教えてくれた)親友は、受験が終わると同時に入院(←過労で緊急入院)。

 誰もがこれで合格しなかったら、英修に火をつけることを決めていただろう。そして、神はそんな圧力に負けたのか、ぼくをドンケツながらも合格に導いた。

 一重にこの学校を選んだのは、自宅から近かったことではあるが、ぼくは自宅(ウサギ専門店)から離れたくはなかったからだ。

 通学のためにウサギを萌える時間がないのは、ちょーヤダ!!

 と、まぁ、色々あったが、それなりに高校ライフを楽しんでいます!



 GWが明け、高校に入学して初テストの結果(学年中、最下位)に愕然としたが、仕方がないと諦めたある日、ぼくは運命の出会いを果たす。



 玩具付きお菓子………その中には、先月より発売された『ウサウサシリーズ』があり、ぼくはあと一つ攻略できなかった。

 レッキスの毛並を忠実に表現しているビロードの手触り、その愛くるしい瞳。レッキスは2種類があり、ブルーグレーとブロークン色がある。

 その神がかり的なレア玩具がレッキスのブロークン色であるのだが、ゲームソフトと天秤にかけた結果、ぼくはゲームに傾いてしまった。

 いや、ゲームソフトのレアアイテム『翼』を手に入れるために、ソフト一枚ずつ買い占めた結果、24枚で当たったその後の財布の懐が、玩具菓子一つも買えない有り様だったのだから、当然の如く諦めねばならなかった。

 しかし、なぜかぼくの目の前には、その玩具菓子のレッキスのブロークン色がいたりする。



 これは夢????






◇◆【草間視点】◆◇

『殴ってもいいだろうか?』



 この台詞を生まれてから何度、思ったことだろう?

 そのたび、グッと堪えことの対処に当たるのだが、今回ばかりは本気で殴ってもいいと思う。

 猫屋うさぎ(ねこや うさぎ)…これは、俺こと草間雄介(くさま ゆうすけ)の親友の名前ではあるが、猫は大嫌いでウサギ好きなのを説明しておく。←誰にだ!?

 さて、なぜ俺がこんなことを考えているのかというと、数分前まで遡る。



 学校の昼休み。昼休みと言えば弁当か購買か食堂だが、うさぎは弁当を忘れ、且つ、全財産が39円という事態になっていた。

 聞いたところによると、ゲームのレアアイテムを手に入れるために、ソフトを買い漁り、全財産使い果たしたとのこと…。←39円は残っている。

 これまでも、このようなことがあったので納得するが、腹を空かした親友をこのままにする訳にもいかず、食堂で一番安い飯を奢ることにする。

 そう、ここまでは良かったんだ…。



 食堂はそれなりに混んでいたが、気付いたらうさぎが隣にいなかった。

 ………と、これもいつものことで、きっとどこかでウサギグッツを見かけたのかなーっと、思っていた。

 が、なぜか、うさぎは生徒会役員や各委員会の委員長しか立ち寄ることができない2階席に脱兎の勢いで駆け上がっていて…。

 その後の展開は、思い出したくもない………。

 うさぎは、生徒会長に抱き付き、次の瞬間には会長の手に持っていたウサギグッツを奪って目を輝かせていた。

 ちなみに、食堂の入り口から生徒会役員の会長がいた場所は、かなり離れている。

 それこそサバンナのどこかの民族並の視力がなければ、会長が持っていた小さなウサギグッツなど見えることはできないはずで…。

 うさぎよ………お前の視力がどうなっているか、本気で俺は心配するぞ。

◇◆◇◆◇



 ※脱兎の勢い…迅速な様子。逃げるウサギのように足が速いこと。


[*の後退]の前進*]

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