うさぎの初恋
◇01.不満なこと。
不満なこと…。
自宅がウサギのブリーダーをしていて、ウサギ専門店を経営しているのになぜか苗字が『猫屋(ねこや)』だということ!!(怒)
そもそも、猫はウサギの天敵だろ!!なんでウサギ好きのぼくが『猫屋』なんだ!!
しかし、そこはぼくの両親。名前は『うさぎ』と付けて………ありがとう!!母さん、父さん!!
もう一つ不満なこと。
某ソフト会社が、マニアック的に販売した『アニマル・ワールド』…。
ネットで楽しめるそのソフトの何本かにレアアイテムのIDコードが入っていると言う噂を聞き、24本買い占める。
その甲斐あって、ぼくのキャラはウサギ人種に背に真っ白な翼がある。ふっふふ。
………しかし、これには誤算があり、24本もソフトを買い占めると小遣いはおろか、預金通帳まで空っぽの有り様…。
そして、『アニマル・ワールド』ということは、皆動物キャラであり………ぼくは『ウサギ』キャラを見つけるたび萌え過ぎて、時を忘れ、且つ、ウサギ人種に闇討ちされても嬉しい日々。
おかげで、ダンジョンを攻略したことがなく、ソフト購入から2週間…いまだにレベルが2だ。
なぜにウサキャラで戦わねばならん!!ゲームの趣旨を変えろ!!←でも、どうやってレベル2にしたのか、なぞだね?
上記↑に伴い、不満なこと…。
予想はつくと思うが小遣いと預金が底をつき、現所持金が39円になってしまったこと!!
次の小遣い日まで、ウサギグッツが買えない…。
玩具付きお菓子の『ウサウサシリーズ』があと1つそろうとコンプリートなのに!!(※全8種類のうちのレア玩具1個)
う゛ぅぅーーー。誰かお金貸して!!
と、ここまでが不満なことだが、それなりの日々をぼくは過ごしている。
学校は何を間違えたのか、全国でも有名な進学校の男子校…私立英修(えいしゅう)高校に通っている。
小学生からの親友も一緒にこの学校に通っているのが唯一の救いだが、安直に学校を選ぶものではないと最近気付いた。
私立英修高校は、特別進学科(S組)、進学科(A〜C組)、普通科(D組)がある。
進学校だから当たり前に勉強の進みは早い。いくら、ぼくが普通科に通っていようともだ!
普通科のぼくがこれでは、進学科にいる親友はどんな頭脳をしているんだ!と、文句を言いたいが、親友は中学時代地元でも5位以内に入る天才で…。
その親友曰く、「特別進学科の生徒のほうが化け物なみに天才だ」と、言う。
ぼくは特進(特別進学科)に知り合いはいないので接点はないが、聞いたところによると、幼い頃からスパルタ並の勉強をしていて、しかも、金持ち人種しかいないらしい。
これでわかるとおり、特進のS組は上流階級組なので制服も特注で、カラーも黒を基調にしたブレザー。
A組〜C組の進学科は紺を基調にしたブレザー(※特注ではない)。
で、ぼくがいるD組の普通科は、悪趣味としかいいようがない、緑を基調にしたブレザーだが、これを見るとなぜか学校外の人達にまで笑われる。
ちなみに、ぼくはウサギの大好きなチモシー(牧草)色なので、気に入っているのだが………何か文句ある?
さて、それではなぜこんな学校にぼくが通っているのかというと、家から目と鼻の先に学校があるからだ。(徒歩5分内の距離)
私立英修高校は、お馬鹿なぼくが絶対合格するのはムリ…いや、世界中の人々が声を揃えて「高望みだ!無謀だ!」と言うほどの学校だった。
しかし、ぼくは自宅から30分以内で通える場所は、ここ(私立英修高校)しかなく………と、いうか、残りの一校はあまりの不良高校なので、死ぬ気で勉強した。
[の前進*]
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