うさぎの初恋
◇04.うさぎと誕生日と雛祭り bS◆
暫し、なぜか雄介は朱里とお話し合い。
で、その後、なぜかオープンテラスから室内に移動することになった。
白の英国風のカントリーハウス。
中もウサギと名のつく絵とか家具とか置物がさりげなく置かれていて………お願い、朱里、この家にぼく住んでいい?
素で頼み込もうと考えていると、なぜか案内された場所は畳のお部屋。
カントリー風の家にこの和風はちょっとないだろ!て、ついつい怒りを込めたくなるが、部屋の中央に置かれたものに目が行くと…。
「うわぁぁぁ!ウサギ雛♪」
笑顔全開でウサギ雛に近寄る。
めちゃ可愛い!!お内裏様は黒ウサギ、ピンッと耳を立たせて着物も上品な紺を基調にしている。
で、お雛様は白ウサギ!十二単は桜色を基調にしていて、頬にはうっすら桃色、唇もおちょぼ口でめちゃ×100可愛い♪
もちろん、三人官女や五人囃子などもウサギで、小物の屏風やぼんぼりなんてものまで、ウサギマークが入っている。しかも、ちゃんと5段あるよ!
何これ!!ぼくの理想を超えたものがここにはある!!
雄介が見せてくれるものだから、きっとこんな立派なものではないと思っていたのに。
ぼくが呆然と…いや、それはもったいなからガン見していたら、すっと朱里が隣に立つ。
「気に入ったか?」
この言葉に当たり前だと大きく頷くが、このウサギ雛はやっぱり朱里のものなのかな?
「これは、うさぎと出会ってから作らせたものなんだ。でも、何だかんだと注文付けたら3年もかかった」
うぎゃ!すごい、力作なウサギ雛………さすがにお金持ちは違うね〜。
思わず、手を叩き「えらい、朱里!!」なんて、褒めていたら、朱里は頬を染めて嬉しそうに笑う。
「本当は、これをいの一番にうさぎに見せるはずが………当時、うさぎを捜しても見つからず、いつの間にか日の目を見ることもなくしまわれていたものなんだ」
「だったら、これから毎年ぼくに見せてよ!」
嬉々としてそうお願いすると、朱里は柔らかく微笑みぼくを抱きしめる。
よし!これで毎年ウサギ雛をバックに甘酒、雛あられ、ちらし寿司で飲み食いするぞ〜〜〜!!
◇◆【視点なし】◇◆
うさぎと朱里がラブラブモード?になっている離れた場所で、雛あられを食べている雄介と長耳。
「えっと、これって兎三山会長の苦労が報われたということですか?ポリポリッ」
「ウサギ雛に関してはだけど………どうやら、またしてもうさぎ君に恋心まで伝わったとは言えないのではないかな…。ポリッ」
「はっはは(乾いた笑い)、何だか兎三山会長が俺より不幸に見えてきました。ポリポリッ」
「………そうだけど、この頃朱里も攻めあぐんでいたようだし、一先ず、毎年のウサギ雛をみる約束を取り付けただけでも進展があったということで…。ポッリッ」
「ですね…。ポリッ…」
その後、うさぎはウサギ雛を誕生日&雛祭りに見るためウサギハウスに来るのが、年間行事に記入された。
………が、うさぎと朱里の関係が発展したのかどうなのかは、それは別なお話し…。
番外編 『うざきと誕生日と雛祭り』 END
※今更ながら、全4ページ………拍手文にすればよかったのでは?…愛兎はまたしても失敗したようです。。
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