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宝物♪
まだまだ(まはるさま)
「阿部の寝起きって可愛いよな〜」
田島くんが、言った言葉に泉くんや浜ちゃんまで頷く。


「ああー、あれは破壊力最大だよな…」
泉くんまで…

「俺もこの前見たけど、猫みたいだったよな…」
「浜田は何時見たんだ?」

浜ちゃんはゴクッとして答えた。

「…七組行った時」
「え〜いいなぁ〜めったに見れないのにさ―俺は合宿でしか見た事ない」
「俺もだな。浜田、後でヤっとく?」
「なんで!?」


みんな、いいなあ…
俺は合宿で、寝てないのがバレないかビクビクしてて顔なんか見れてなかった。

見てみたい―





―部活終了後


「ねぇ、ねぇ聞いてよ〜今日さ―阿部がさ―」
「水谷っ!てめぇ―言うなよ!!!」

阿部くんが顔を真っ赤にして、水谷くんの口を塞いでる。

「あ―あれか…阿部は人気者だよな〜」
「花井!言うんじゃねーぞ!!」

「花井、阿部はほっといて話続けて」
「栄口、聞かなくてもいいからなっ」
「阿部。あんまり五月蠅いとその口みんなの前で塞ぐよ?」

と、栄口くんが阿部くんに顔を近付けた。
うっ、阿部くんが…


「判ったよ…でも俺は帰っていいか?」
「今日も授業中、阿部寝てたんだよ。それで、モゾモゾし出して『起きる』って時に…」

「あー、もういいから」
って阿部くんが逃げようとするが、今度は水谷くん、泉くんが阿部くんを押さえる。


「はい。阿部は黙っててね〜いいとこなんだから〜」
阿部くんは、口を塞がれてるから喋れないけど、目は水谷くんをキッと睨んでいた。



「それがさー、阿部が起きそうな瞬間にほぼみんなが携帯を阿部に向けたんだよ。先生もやってるからびっくりだよな〜起きてなかなか周りに気付かない阿部が、気付いたときの固まった顔がまた凄かったんだ」
「ほら、これがその写メ」


水谷くんが見せてくれた。
「可愛いなー。俺にも送ってくれよ」
「俺も俺も」
と、阿部くん以外の人が貰っていた。



勿論俺もしっかり、貰ったけどその帰り道で阿部くんはすっかり拗ねていた。俺は阿部くんと二人で帰っていたからビクビクして仕方なかった。



「三橋、お前まであの写メ貰ってねーだろな?」
「も、貰った、よ。」
「なっ、オメーはいらねーだろうが?」

「オレッ!阿部くんの寝起き、見たこと、ないっ!」
「えっ!?」
「だから、みんなが、見た事あって、羨ましかったんだっ」
「でも、俺たち何回も一緒に寝てる…よな?」

阿部くんは言葉に詰まりながらもそう言った。


「阿部くん、いつも、俺より、先に起きてるっ!」

「…そう言えば、そうかな?」
首を傾げて考えてるけど、納得したみたいで良かった。



「阿部くんは、いくら激しくしても、何回し「もーいーよっ」」

阿部くんが真っ赤な顔で俺の口を塞ぐ。
さっきと一緒だ。


でも、本当に阿部くんは俺がいくら激しくしても、何回もしても俺より早く起きる。

俺が阿部くんの可愛い過ぎる姿に、ドキドキがなかなか収まらなくて寝れないのが原因なのは分かってるけど……言ったら阿部くん絶対怒るから言えない。



でも、今日こそは阿部くんの寝起きを見たい。どうしたらいいんだろ?





あっ!そうだ!
って思った瞬間、阿部くんがびくっとなった。


「三橋、お前変な事考えてないか?」
「うひっ」


阿部くんは腕を組んで震えだした。

「お前、それ言うなよ?言ったらもう家行かねーからな」


阿部くんは勘がいいなぁ。


「で、でももう、着いたよ?」

俺は阿部くんを家に連れ込んだ。


「阿部くん、今日は、俺が疲れるまで、するからね。明日、休みだし大丈夫、だよ」



俺は阿部くんの手を離さない。阿部くんは離れたがってるけど、今日は絶対離してやらない。


でも、阿部くんには無理矢理したくないから、阿部くんがいいって言うまでいっぱい愛してあげるんだ。


阿部くんは、俺の愛が足らないからいつもなかなか言ってくれない。でも今日は頑張る。

「三橋、今日はおばさんは?」
「誰も居ないから、大丈夫だよっ」
「だから何がだよ!!そんな事しなくても、俺は明日ゆっくり寝るからなっ?」

「大丈夫だよ。俺、頑張るからっ」
「全然、大丈夫じゃねーよ」


寝起きを見たいのもだけど、これから起きる出来事のが楽しみだった。とは、阿部くんには内緒だけどね。

俺は、手をずっと離さなかったから阿部くんは泊まるって言ってくれた。

手を握ってずっと愛したら、阿部くんはすぐ納得してくれるかな?そう考えてると阿部くんが、びくっとまた震えた。


「お前、今度はなんだ?」
「え、俺は、ただ阿部くんと手を繋いで、居たいなって、」
「それなら、いいよ」

阿部くんの許可が出た!今晩は二人で楽しい夜になる!!


阿部くんがまたびくっとなったけど、押し倒したから何も言われなかった。
夜はまだまだ長いよね?

end
 

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