宝物♪
僕らの日常(まはるさま)
「ただいまー」
「シュン、お帰り」
帰ると珍しくタカ兄が迎えてくれた。
嬉しくて抱き着いた。っていつもしてるけど。
「シュン、今日母さん遅いんだって。晩ご飯俺が作るからな。なんか食べたいのあるか?」
「タカ兄が作るならなんでもいいよ」
「失敗しても、食べてくれるのか?」
「うん!」
タカ兄は冗談で言ってるけど、俺は本気だよ。タカ兄は俺の返事にビックリしていた。
「あのなー…でもありがとうな」
「うん。楽しみに待ってる」
なんか新婚みたいじゃない?
「タカ兄早いの珍しいね?」
「母さんに『部活なくなった』ってメールしたら、『母さん用事あるから家の事頼む』って返って来たから、今日誘われたけど断ったんだ」
「珍しく誰も付いて来なかったんだね」
「理由は詳しく言ってねーもん。『家事するから無理』って主婦みたいだしな。五月蠅いから逃げて帰って来たよ」
なるほど。お母さん、ありがとう。いつもタカ兄が遅いのは、やっぱりアイツらのせいなんだな。でも今日は、俺を選んでくれたからな。(違う)
「風呂先入るか?」
「後でタカ兄と一緒に入る」
定番の事を言って貰いたかったけど、流石に言いにくかった。
でも絶対にいつか言って貰うと誓うのだった。
タカ兄は、親子丼と野菜炒めと味噌汁を作ってくれた。
タカ兄は結構お母さんの手伝いをやってるからもあって、かなり旨かった。
「シュン、ピーマン残したらだめだろ?」
「タカ兄が食べさせてくれたら、何でも食べるよ」
「本当だな?ほら『あーん』」
そう言いながら、大量のピーマンを箸で摘んできた。
タカ兄の料理だから残す訳ないけど、こうなるの分かってるからワザと残してたんだ。
こんな苦いピーマンでも、タカ兄が食べさせてくれたら甘くなるもんな。不思議だな〜
「嫌いじゃなかったのか?顔が笑ってるぞ」
「笑ってるのはタカ兄が、食べさせてくれたからだよ。すっごく甘くなるんだよ?」
「それはないだろ?」
タカ兄が呆れ顔で言って来た。信じてないな。本当なのに。
「じゃなかったら、こんなにピーマン食べれる訳ないもん」
「それはすごいよな」
「だからタカ兄のお陰だってば」
タカ兄がなかなか信じないから、口移しでタカ兄にピーマンをあげた。
「うっ、こらシュン!苦いまんまだぞ」
「俺の愛が足らなかったかな?タカ兄の料理は俺の為に愛情込めて作ってくれたからだよ。うん!」
「分かったよ…信じるよ」
そう言いながら、頭を撫でられた。
って、それより初ディープキスなのに軽く流されてない?
タカ兄は初めてじゃないのかな?
その事に気付いたのは、タカ兄と風呂入ってゆっくり過ごし寝る時だった。
タカ兄は、もう寝てるしまた今度聞こうと思った。
そして、今日の幸せな日常を噛み締めながら寝るのだった。
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