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お題小説
布団の中で二人(榛阿)

カーテンから洩れる朝の光がオレの意識を覚醒させていく。
ふと隣を見ると、未だ隆也は夢の中。普段は強気な瞳が閉じられているせいか、何だかあどけない。

ついついイタズラ心が芽生えてしまい、すやすやと気持ち良さそうに寝息を立てる隆也の頬をびよんと引っ張ってみた。

「……ん」

もそりと身動ぎして目を覚ます気配を見せる隆也に小さな期待を寄せる。
おはようございます、
朝起きてまず最初に、そう言ってはにかむ隆也が大好きなんだ。

それなのに、隆也はまた何事もなかったかのように眠りについてしまった。ちょっとつまらなくなって、今度は鼻をむぎゅっと摘んでみる。
しばらくすると、隆也は苦しそうに眉を顰めてオレの手を払う仕草をしてみせたが、それでも目を覚ますには至らず、更には寝返りを打ってオレに背中まで向け出す始末。
さすがにイラッときたオレは、隆也の脇の下に手を差し入れて思いっきりくすぐってやった。
これ、弱いんだよな。

案の定、ビクリと大きく身体を震わせた後、振り返ってオレを睨み付けてくる隆也と目が合う。

「…おはよ、隆也」
「アンタ……!」

ニッと笑顔を向けて、まずは爽やかに朝の挨拶。それに対して隆也の表情は穏やかでない。

「何っ…すんだよ!!」
「うわっ、やめ…ぎゃはははは!」

すぐさま、仕返しとばかりにオレの脇腹をくすぐってくる。予想外の攻撃に身悶えながらも、負けてばかりはいられないとオレも更に反撃に出た。


朝っぱらから何やってんだ、オレら。
一つの布団の中で二人、子どもみたいにケラケラ笑い合って。

本当にくだらない。
けれどもそれ以上に。



甘い、甘い。
オレたちの、こんな日常。




*END*

______20080225
あっまあま!!ていうかただのバカップルですよね?ウチの隆也は地震でも起きません。

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