朝目覚めて服を着替える時、嫌でも見える右半身。・・・・本当に、俺は生きているのか死んでいるのか、分からないなぁ。鏡に映るそれを見て、自嘲的に笑った。っと、早く着替えて飯を食わなくちゃいけない。いそいそ着替えて、いざ上の服を着ようとした時だった。機械的な音をたてて開く、自室の扉。 「ねぇリヒ、あっ・・・」 「えっ」 しまった、と思った。見られた、見られた見られた見られた見られた見られた、この、サイボーグの右半身を。しかも、ナマエにかよ。今日の俺、朝からついてねぇなぁ。「・・・リヒティ、その体、」「えっと、まぁ・・・・見た通りっすよ」大丈夫、今の自分は、笑えてる。そんな自信があった。あ、でもそれなりにショックは受けてるつもり。だって、このことは、誰にも言いたくなかったし。ずっと、隠していくつもりだった。きっと俺は、それを誰かに打ち明けて、同情されたり畏怖の目で見られたりするのが嫌だったのかもしれない。「ばか!!」ばちんっと、頬を両側から叩かれた。あれ、えっえぇええ!?なんで俺叩かれてすんか?! 「リヒティのばかーあほーおたんこなすー!!」 「えっ、ちょっ!なんでナマエが罵倒しながら泣くんすかね!?(てか、いたっ顔いた!)」 「うっせ!無理矢理笑うリヒティが悪い!」 「(えぇー)」 なんか理不尽。泣きながら怒るナマエを見て、小さく笑ってしまった。(あ、今の俺本当に笑えてるや)ふいにナマエが、そっと左胸に手を当てて、くる。どくどくと、心臓は忙しなく血液を運んだりしてる。左心房に左心室、右心房に右心室。「・・・・・生きてる、リヒティは、」 「生きてる」 噛み締めるように呟くナマエの声に、思わず泣きそうになった。うん、俺、生きてる。生きてるよ。 |