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Valentine's DayBフレン

<フレンにあげる>

翌朝、ソディアと一緒にフレンの執務室へ。チョコを渡したいと言ったら連れてきてくれた。

「おはようございます」
「おはよーございまーす」

ノックをした部屋に二人で入ると、机と書類を睨んでいたフレンがこちらを向いて笑う。

「おはよう、ソディア、Name。どうしたんだい?」

私が居ることへの質問だろう。
それに答えるように前に出てフレンにプレゼント用にラッピングしたチョコをあげた。
ふわりと香る甘いそれが空気にのり私達の周りを包む。

「これは…?」

不思議そうに包みをみる青い瞳がこちらに移った。吸い込まれそうに綺麗な青にふらりとなるのを耐え、バレンタインを説明する。

ちなみに誤解がないように"お世話になってる人へのお礼の気持ちを伝える日"ということにしておいた。

「それで、僕にも?」
「うん、迷惑だったならごめん」
「そんな訳ないだろう。ありがとう。座って。紅茶でも入れよう」
「あ、お構い無く」
「隊長、私がやります」
「三人分だよ」

お構い無くーの言葉が聞こえてなかったのかソディアはお茶を作りに行くし、フレンは机からこちらの接待用のようなソファーに移動してくるし。

でも、入ってきた時の彼の酷く疲れたように書類とにらめっこしていたのには丁度いい休憩なのかもしれない。

私は大人しくそのソファーに座り、包みを開けるフレンを見ていた。

「イチゴをチョコに絡めたの。不味かったら言ってね」
「…ん、美味しい、こんなに甘いもので美味しいと思える物は初めて食べるよ」
「よかったぁ」

安心したように胸を撫で下ろした私に、フレンは見たこともないような優しい、それでいて嬉しそうな笑顔を浮かべて

「ありがとう、Name」

と言ってくれた。
不意にドキリとして穴という穴から血が出そうになったその時に、ソディアが紅茶を三人分もってくる。

砂糖もいれず湯気のたつ熱いそれを一気飲みして、ソファーを立った。喉が痛い、でもこの顔の赤さを見られてはいけない。
かといってせっかくソディアが入れたお茶を飲まないなんて勿体ないことはしない。

不可解な行動に驚いた二人の視線を掻い潜り、扉に向かう。

「よ、よろこんでいただけてうれしゅうございマス。それではこれで、2人とも公務ご苦労様デス」

もう何を言っていいのかわからなくなったのでそれだけ言い残して執務室を後にした。

背中から聞こえる私を呼ぶ声に、追われるようにユーリに届けに行くことになるとは。








フレンに笑顔で名前を呼ばれたい。
20100220編集

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あきゅろす。
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