「ね、デューク」 「なんだ」 「私と世界どっちが大事?」 「…」 ほら、困った顔。 私は「世界」と言われても気にはしないのに、迷ってくれるその顔。 それが見たいゆえにたまにこの質問をする。 私を世界の次にでも好きでいてくれるなら、負けたってなんとも思わない。 「なんで私が一番じゃないの?!」なんて言う女の気持ちが知れないくらいだ。 「…」 「もう、デューク。冗談なんだからそんなに考えないで」 「……」 いつもならこう言うと「そうか」と笑ってくれるのだが。 今日はずっと何かを考えている。私の声が届かないくらい。 ただ少しの悪戯心でここまで悩まれると、罪悪感が湧くもので。 デュークの前に行き、私より高いところにある綺麗な顔を覗いた。 「デューク?」 「私は」 「ん?」 「お前も、世界も両方取る」 必死に出した可愛い答えに、つい笑いが出てしまう。それを不愉快そうに見られたのでごめんと謝った。 「ふへへ」 「…なんだ」 「嬉しいの。ありがとう」 男とは思えぬ細腰に抱きついて、胸に顔を埋めるとすぐに顎を掴まれ上を向かされる。 そして唇に極上のキスが降ってきた。 一緒に降りてきたデュークの白銀の髪に覆われて、まるで二人だけの世界にいるような気分。 「好、き」 「ああ」 「世界の次でいいから、好きでいて」 「わかっている」 でも、キスをするこの一瞬だけは私が一番になってたら嬉しい。 そう言えば更にキスが降り注がれた。 変換入れるとこが見つからなかったという。 20100208移動 [*←][→#] [戻る] |