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00≫≫2nd SEASON
あの日のフォトグラフ
(アレルヤ+ミレイナ+ティエリア)



「ハプティズムさん!やっと見付けたです!」

トレミーの通路を移動していると、後ろの方からミレイナがぴょこぴょこと髪を揺らして嬉しそうに僕に声を掛けた。

どうやら僕を探していたようだ。

「やあ、ミレイナ。どうしたんだい?」

低重力の中を飛んでくるミレイナ―――本当にこの表現が合っていると思う程の勢い―――の小さな体を軽く抱き留めながら聞くと、ミレイナは僕の目の前にズイ、と自分の端末を差し出した。

「やっとコンプリート出来たです!」

覗き込むと、ミレイナとトレミーのクルーの写真が沢山。

ああ、そういえばミレイナがトレミーのみんなとツーショットを撮るんだって言ってたっけ。

僕は割と最初の方に撮られたけど…。

『コンプリートしたらハプティズムさんにも見せてあげますね!』

…なんて言ってた約束、覚えててくれたんだ。

ミレイナの笑顔が溢れる写真は、見ている僕も癒される気分。


あ…マリーとのツーショット…可愛いな。


思わず顔に出てしまったのか、ミレイナに『後で送ってあげますよ』なんて言われてしまった。

一枚ずつ見ていくと、最後はティエリアとの写真だった。

「ティエリア、横向いちゃってるね」

不機嫌に横を向いた様子はティエリアらしいといえばらしいけど…。

僕が苦笑すると、ミレイナは頬を膨らませた。

「そうなんですよぅ。アーデさん、撮らせてくれなくて…」

でも頑張ったんですよ!とガッツポーズのミレイナを見ていると、この写真を撮るのにどんなに苦労したのかが伺える。

確かスメラギさんの部屋にある写真の時も大騒ぎだった。
あの時はロックオンが一生懸命説得して、ようやく写真を撮らせてくれたんだ。

最近は随分と雰囲気が柔らかくなったティエリアも、写真はまだダメなのか。

美人なのに勿体ないよね、なんて話して、ミレイナと別れた。

部屋に戻る頃、僕の端末にミレイナから約束の写真が送られてきた。



その日の夕食の時間。
食堂に行くと、ティエリアとミレイナが並んで座っている。

「ミレイナ、野菜が残っている」

「アーデさんだってお魚が残ってますよ?」

そう言いながらお互いの嫌いな食べ物を交換していた。
またやってるな、なんてすっかり日常の風景と化した二人を横目で見ながらふと気付く。


………笑ってる。


僕はポケットの中の端末を取り出して、ミレイナとティエリアの笑顔にカメラのピントを合わせた。


―――カシャッ!


アナログな音で、僕の端末は二人の笑顔を切り取った。

「―――?!」

突然の事で面食らう二人を横目に、僕はミレイナの端末に今撮った写真を送った。

「ミレイナ。さっきの写真のお礼だよ」

送られた写真を見て、ミレイナはヒマワリの花のような笑顔を見せた。

「わあ…っ!ハプティズムさん凄いですぅ!」

ミレイナの端末を横から覗き込んだティエリアは顔を真っ赤にする。

「な…アレルヤ!君は勝手に何をしてるんだ!!万死に値する!!」

久々にティエリアに怒鳴られながら、僕はその写真をマリーの写真の横にしっかりと保存した。


ロックオンがこの写真を見たら、きっと誰よりも喜んだのに…なんて。

そう思って少し切なくなってしまったのは、内緒にしておこう。

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