OTHERS
Still I Love You
マクロスF(ミハエル→アルト)
「アルト?戻ってるの、か…」
さっきから見当たらないアルトを探してS.M.Sの寮の部屋の扉を開けると、ベッドの上にまるで倒れ込む様に俯せるその姿を見付けた。
そのお姫様は身なりはそのままで寝息を立てていた。
パイロット養成コースに通っているとはいえ、ここでの訓練は軍隊のそれと何ら変わらない。
相当堪えてるのだろう。
アルトの眠るベッドの端に気も遣わずに腰掛ける。
ベッドが軋んで僅かにアルトの体が揺れたが、それでも起きる気配は無い。
「おい、アルト。飯は?」
「………」
「せめて着替えろよ」
「………」
「俺のキスで起こしてやろうか?アルト姫?」
「………」
………ダメだ。
これは本気で寝てる。
俺の軽口もさっぱり聞こえてないらしい。
そんな深い眠りに入っているのを良い事に、俺は高く結われたアルトの髪に手を伸ばす。
サラサラと真っ直ぐな長い髪。
アルトが女に見られるのは端正な顔もあるが、やはりこの長い髪に因るものが大きいだろう。
姫、姫とからかってはいるが、アルトは一般の男子高校生らしい体躯をしているし、女らしいといえばルカの方がよっぽど女の子に見える。
つまり、これは純然たるイジメなのだ。
芸能コースからパイロット養成コースに転科するのも気に入らなければ、意外にも成績が良いのも気に入らない。
空に憧れて、親父との確執で…そんな理由でパイロットに、まして戦争屋になんかなられてたまるか。
歌舞伎の世界を飛び出してきたにも拘わらず、ズルズルと髪なんか伸ばして、まるで未練たらたらで。
お前に戦争なんて似合わないんだよ。
でも俺はこの長い髪をからかったりはしない。
きっとこの頭に血が昇りやすいアルトの事。
からかった瞬間、その場ででも髪を切り落としてしまうだろう。
そんな事、許さない。
俺はこの髪、気に入ってるんだから。
歌舞伎を断ち切れない曖昧な気持ちの現れであるこの長い髪を………。
赤い紐に指を掛け、スルリと解けば纏め上げられた髪はシーツの上に、アルトの肩に散らばる。
「アルト…」
指に絡んだ髪に、口付けを一つ落とした。
いつでも歌舞伎の世界に戻れば良い。
俺の隣で戦うお前より、舞台の上の手の届かない場所で舞うお前が好きだから。
本当に好きなものは、手が届かない位が良い。
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萌えが高じて思わず書いてしまいました(笑)
ミハエルが好きです。
でも実はあまり設定が解っていないのでおかしい所があるかもです。
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