00≫≫1st SEASON
病んでる俺に天然誘惑
生真面目で、意地っ張りで、何かあるとすぐに他人に当たっちゃう。
そんな不完全でお子様なティエリアが可愛くて可愛くて仕方が無い。
―――そう思った瞬間、捕まえてキスしてた。
そっと触れただけの唇を離すと、ティエリアは紅い目をこれでもかと見開いて思考停止。
あー、やっぱ美人はどんな表情も綺麗。
「おーい、大丈夫か?ティエリアさん?」
固まるティエリアの頬をペチペチと叩いてやると、眼鏡の奥で二、三度瞬きをしてみるみる内に耳まで真っ赤にして。
「何をするんだ!貴方は!!」
………殴られた。
「…ってぇーなぁ…」
背を向けて怒り心頭に廊下を進むティエリアを後ろから追いながら、殴られた頬を摩る。
「自業自得だ。いきなりあんな…」
そこまで言うと、思い出したのか肩を震わせてピタリと止まり、こっちを振り返った。
うわっ、また殴られるか?
微かに身構えた俺を、さっきより真っ赤なティエリアが上目遣いで睨んで…あれ?目が潤んでる?
「…ばか」
殴られるよりも衝撃的。
ヤバイ。
俺、マジで落とされた。
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