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00≫≫1st SEASON
ours
(ロクティエ←ハレ+アレ)



アレルヤ。
お前、気付いてる?
俺とお前はもともと一人の人間だったんだぜ?

お前の事で解らない事なんかあるかよ。




「…またかよ…」

アレルヤが引きこもった。
いつも突発的に俺に体を寄越し、その後は何を言っても反応しない。
理由は大きな事から小さな事まで。

その度に俺はアレルヤの振りをして過ごす。

それは別に良いんだ。
長くても二、三日。
アレルヤはそれでスッキリするみたいだし、大事な時にはちゃんと出て来る。


ただ、最近はそれが多くていい加減ウザイ。


近頃のもっぱらの原因はティエリア・アーデ。

難攻不落のツンツンお姫様は最近、年上のチャラ男に懐いた。
ロックオンにだけデレデレなその様子を見て、すっかり落ち込んでいる。


つまり、失恋だな。
何が良いんだか、あの長所といえば顔だけの眼鏡っ子に惚れて、ちょっかい掛けたら裏目に出て、殺され掛けたり馬鹿にされたりしてる内にあっさり別の男に掻っ攫われてやんの。


なぁ、アレルヤ。
お前勝ち目無いって。
昔から箱入りお嬢様はあの手のタイプに弱いんだ。
お前みたいに優しいだけで押しの弱い男じゃダメなんだって。


「おい、アレルヤ!いい加減にしろよ!」

「何を騒いでいる」

「げ………」

…しまった。
つい廊下で大声でアレルヤに話し掛けちまった。
しかもティエリアに見付かる何て、バッドタイミングにも程がある。

「………」

いつもなら侮蔑の眼差しをくれて去っていくティエリアが、何故かじっと俺を見つめる。

「な、何…?」

そのままツイ…と近寄ったかと思えば、ティエリアは至近距離で俺の目を覗き込む。

努めてアレルヤらしく振る舞うが、その綺麗な顔に圧倒されて内心穏やかじゃない。

何だよ、今日に限って。
いつものアレルヤの電波で済ませろよ。

「…アレルヤ・ハプティズムじゃないな?」

―――は?
こいつ、今何て………。

俺が唖然としていると、ティエリアは手を伸ばして前髪を容赦無く、むしろ無邪気に鷲掴んで引っ張った。

「いってぇ!!」

「君、たまにアレルヤの振りをしているだろう?」

「痛い!マジ痛い!ハゲる、ハゲるって!!」

「質問に答えろ」

「なら離せ!!」

ティエリアはようやく髪から手を離すと、俺の頭皮から抜けて手に纏わり付いた髪を煩わしそうに払う。

何これ、新手のイジメ?
誰か刹那呼んで来い、マジで。

「君は誰だ」

「…ハレルヤ」

もー、どうにでもなれ。

髪をくしゃくしゃと乱して、さっきまで見せていた目とは逆の目を晒す。

アレルヤは左目が利き目だが、俺は右目が利き目。

アレルヤの振りをしてる時は逆の目を出してるが、本当は見づらくてしょうがない。

「何故アレルヤの振りをしている?」

仁王立ちの女王様は憮然とした態度で聞く。

「………」

言えるかよ。
テメェにフラれてアレルヤが引きこもってるんだ、とか。
そんなのティエリアにバレてみろ。
あいつ本気で表に出てこなくなるぞ。

何も言わない俺に痺れを切らして、ティエリアが俺に詰め寄った。

「ハレルヤ、答えろ」

あ―――…俺、アレルヤ以外のヤツに名前呼ばれたの初めてだ。

だいたい、こいつは最初っから俺がアレルヤじゃないと見抜いていた。

真っ直ぐな、淀みの無い赤い瞳。

何と無く…何と無くだが、アレルヤがティエリアに惚れた理由が解る―――…。

「…あ。ロックオン」

ティエリアの向こうを通り過ぎて行く人影を指差した。

「え?」

ティエリアは慌てて振り返り、消えていくその姿を確認すると、俺の事はどうでも良いとばかりにロックオンを追い掛けた。


助かった、と思うと同時に言いようの無い苛立ちが俺を襲う。


「…おい、アレルヤ。代われ」

「ちょっ、ハレルヤ?!」

いきなり表に引きずり出されて、ハレルヤに抗議の声を上げるもハレルヤはまったく反応しなかった。

今度はハレルヤが引きこもり?

ロックオンの後ろを一生懸命付いて行くティエリアの後ろ姿を見ながら、僕は溜め息をついた。


ねぇ、ハレルヤ。
君、勝ち目無いよ。
昔から箱入りお嬢様はあの手のタイプに弱いんだ。
君みたいに乱暴な癖に奥手な男じゃダメなんだよ。


ハレルヤ。
君、気付いてる?
僕と君はもともと一人の人間だったんだよ。

好きになる人だって一緒なんじゃないかな。

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あきゅろす。
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