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00≫≫1st SEASON
カエッテクルヨ。



ハロを抱き締めたまま泣き疲れて眠ったフェルトの腕からするりと抜け、音を立てない様にコロコロと転がる。

「フェルト、オヤスミ!オヤスミ!」

眠るまで側に居たのは、哀しい初恋の終わりを迎えた小さな女の子。

フェルトは強い子―――そう相棒は言っていたから、きっと大丈夫。

シュン!と開いた扉から転がり出ると、弾んでその場所を目指した。

目の前の目的の扉は、固く閉ざされていて、開く気配は無い。

ハロは考える仕種で軽く揺れながら左右の目をチカチカと光らせた後、扉のロックを強制解除する作業に移った。

あっという間に開いた扉から飛び込んだ部屋の中は真っ暗で、その部屋の主はベッドに腰掛け俯いた姿で微動だにしない。

「ティエリア!ティエリア!」

「…!?」

驚いて上げた顔はいつものティエリアとは思えない程ボロボロに目を腫らし、きっちりと切り揃えられた髪もぐちゃぐちゃと乱れ、良く見ればパイロットスーツのまま着替えてさえいない。

「ティエリア!」

器用にティエリアの膝の上に飛び乗り、ハロは耳をパタパタと動かす。

「…ハロ」

もう一人。
初恋と呼べる程育ちもしなかった気持ちを、そうと知る前に失った人。

アイツは脆いから―――そう相棒が言っていたから、助けてあげなくてはいけない。

「ナクナ!ナクナ!」

ハロは電子音を響かせ、目を点滅させた。



『…生きて帰るさ』



少しくぐもったそれは、パイロットスーツ越しに聞くロックオンの声。

別れ際に言った言葉をそのまま録音していた。

「ロック、オン…っ」

涙に濡れた、紅い瞳を見開いてまた新しい涙を目尻に滲ませる。

「ロックオン、カエル!ティエリア、ナクナ!」

「…うん、うん………」

飄々と、何事も無かったかの様に相棒は帰ってくるから。


ハロのボディに落ちる涙。

さっきフェルトもたくさん泣いていた。
二人の涙を全て記録しておこう。

相棒が帰ってきたら『コンナニナカセタ!イケナイコ!』と叱ってやるんだ。

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あきゅろす。
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