焦がす先
こんな想いを知る事になろうとは…
知り尽くした筈…その想いは打ち砕かれる。
惹かれ合うが故に、知らず知らず貪ってしまう。
想い人の心までも、支配したいという貪欲さ。
ああそれは私も同じであるが故に……
傲慢にも、願ってしまう。
何もかもを自分で満たしたいと。
自分の望み通りにしたいと。
増長し、膨大になって、新たな感情を呼び起こす。
そして、その距離は抗うほど…、近く、縮んでゆく…。
それは私たちが触れ合う事で生まれる唯一の糧。
罪とも呼ぶ、幾多の逢瀬。
私はあのひとに身を委ねながら、掌をきつく握りしめた。
それにどう応えてよいのか、自分自身判らなくなったまま。
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