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願い

シスターは、少しの間、目を閉じて、


「よいですか。お聞きなさい。何人たりとも、この事を漏らしてはいけないのはもう、お分かりですね?

ロザリー様は、この村の宝です。そう、希望なのです。

いつか、我らが皇子の願いが叶うように、

心おきなく、ロザリー様が、のびのびとこの村を歩かれますよう。

そして、そしていずれ私達がお話できる機会もありましょう。

あの方のだいじにしているお方は、私達も護らなければならぬのです。

願いが叶うまでは、それまでは、それまではここで、祈り続けましょう。

ーピサロ様と、ロザリー様は、この村の希望です。一縷の望みなのです。

祈りは願い。祈りなくしては、叶うはずもないのですから。祈りは決して、人間達のみのものではありませぬ。

私達の崇めるお方は、デスピサロ様ただおひとり……。


…さ、また明日、同じ時間に。
さすればまた、ロザリー様のお唄も聴く事ができましょう…。」


ぞろぞろと、振り返りながら魔物達が漫ろ出て行った後、


シスターは、首から伝う十字架を握締め、長い時間のあと、


あのお二方様に、幸あらん事を…


と、独り願った………

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