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かみなりと約束



「きゃあああっ!」


閃光と共に響く、轟音。


薄闇の中、浮かび上がる、美しい娘。その髪は蜂蜜のように輝き、長い睫の下には、碧色の瞳が宝石のように瞬き、華奢な躰は小さく震えている。


誰もいない部屋の中、震えながら、部屋の片隅で耳を塞ぐ。

エルフは、ひとの3倍ほど、耳がよく聞こえるという。耳を塞いでいても、よく聞こえてしまうのだろう。


「………」

悲しげに眉をひそめながら、その桜色の唇から、洩れる吐息。

「ピサロ様……」


そこには誰もいないのに、呼ばずにはいられない、一人の男の名前。彼女にとって、全治全能なる、妖艶で美しく、かつ、大きな、大きな存在。





―逢いたい。


ーが、匿われた身の上。安易に外に出る事は不可能であり。

より一層逢いたさは募るばかり。



扉の向こうには、彼女を護衛する門番も控えている。

「ーー!」


と、その時、またもや激しい閃光が走る。

カーテンを閉めていても、強い稲光は、放射線のように容赦なく降り注ぐ。

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あきゅろす。
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