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twins...TD
「どーするも何も…出来るわけ無いだろ?俺も幸村も男なんだぜ?」
「男同士でも良いじゃねぇか」
「ha!それはお前も男に惚れてるからだろーが」
うっと言葉に詰まった元親を呆れた目で見遣る。彼もまた、毛利元就に恋をしている身であった。
同性に惚れる。ああなんて背徳的。そう分かっていながらも、己の身の中でじくりと痛むものは確かだった。
風が屋上を抜けていく。それに黒と白銀がさらさらと流れた。
遠く浮かぶ雲を見つめながら、元親はぽつり呟いた。
「幸村も…政宗に気があると思うけどな…」
「…ha、どうせオトモダチとしてだろ?」
なぁ、頼むから。
俺に振り向けよ。
俺だけを見ろよ。
だって―――
そっと左目を伏せると思い出すのは彼。まるで仔犬か何かのように懐いてくる。満面の笑みはまるで真夏に咲く太陽の花。
嗚呼、愛しい…。
想えど想えど、その想いは伝わらない。言葉に、形あるものにするのが照れ臭く、同時に恐ろしかった。
政宗が見上げた空は、ただただ蒼く突き抜けるようだった。
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