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冷静と情熱の間







暗い路地に佇む1人の男。手には銃を持っている。まだ熱を持つそれからは、硝煙がのぼっていた。

―ポッ、ポツ
僅かな雫を皮切りに、雨が空と地上を結ぶ。
男は動かない。男の足元に伏す数人もまた。

ふと、車のライトか、一瞬路地に光が差し、ようやく僚は目線を上に動かした。
雨が顔に容赦なくかかる。

「…。」

声には出さず、相棒の名を呼んだ。
香。

人を殺した。それがなんだ。それが仕事だ。
悔やみはしないさ。
そんな感傷は感じない。
自信を持って言える。これが、俺の、仕事だ。

相変わらず空を見つめたまま、背を壁にあずける。

後悔、懺悔、慟哭。そんなことはしない。しないけれど。

仕事の後は、香。
お前に凄く会いたいよ。そしてそれと同じくらいに

「…。」


ひとつ息をもらし、しけった煙草をくわえた。
火なんてつきゃしねえよ。俺にゃ暗闇がお似合いだ。

雨は激しさを増す。硝煙はもう消えた。















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なんかこう、切ない感じで。


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