clap集 Tales.TOV (ユリジュディ) †ユリジュディ 「なぁ、生きてる内にやりたいことって、何かあるか?」 私を後ろから抱きしめたままの彼が、かすれた声で呟いた。 同じく酔いで珍しく頭の回らない私は、その呟きをそっと流した。 酒ごときで酔い潰れる自分ではないと思っていたのに、今夜はほんの少しだけ飲みすぎたようで。 騒ぎ疲れて眠る仲間達をよそに、酒の香りを強く漂わせる彼は私を離そうとはしない。 「あら、頭までおかしくなったのかしら」 「………あぁ、明日あたり治療しに行かねぇと」 「そう……あれはつまり、死にたいという意味かしら」 「………どうだろうなぁ」 そっちから問いかけてきたくせに、聞き返せば曖昧な返事。 嫌な酔っ払い。 「私は、そう簡単に死ぬつもりはないの。でも、そうね」 くるりと彼の腕の中で、体を反転させる。 思っていたよりもひどいカオをしていた彼に笑いかけて、首に腕を絡めて、 「今のうちにやっておきたいことと問われれば、あなたを慰めてあげることかしら」 「………はは、ジュディが言うと冗談に聞こえるぜ」 「あら、そう?心外だわ」 私、冗談は嫌いなのだけれど。 ――――――――――― なんか、ジュディスが優しいことを言うとほんとに冗談に聞こえてくる罠^^ ユーリがどんな表情してたから皆様にお任せします!← [*前][次#] [戻る] |