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clap集
Tales.TOS (ゼロロイ)







†ゼロロイ








「なあ、ロイド」




彼の声が震えていた。
寒さでも痛みでも、何のせいでもない。

これは強がっている声だ。


「俺様、ガラにもなく怖いんだよな」
「怖い?ゼロスが?」
「俺様にだって怖い時ゃあんだよ。こんなこと言わせんなよな、ハニー」


ははっと軽く笑い飛ばすゼロスの声が枯れている。
それでも繕うこともなく、震える腕を強く抑えつけて、ゼロスは笑うんだ。

今にも泣き出しそうな、そんな顔をして。

ここまで弱々しいゼロスを見るのは初めてだった。
触ったら崩れ落ちてしまいそうとか、今使っていいことばだろう。


「だからさぁ、なぁ、ロイド。俺の頼み、きいてくれないか」
「…………ああ、」


ふんわり微笑んで、ありがとうと一言漏らした。

風が、ゼロスの赤毛をはためかせる。
強風ではないそれは、そっと優しく撫でるようなもので、彼をさらに儚く見せてくれた。

あぁ違う、崩れ落ちてしまうんじゃない。
消えてなくなりそう、なんだ。


「頼む、ロイド。俺を信じていてくれ」

「俺はどうも、自分不信みたいなんだ」

「だけどお前なら、お前だったなら、」

「きっと。きっとさ、出来る気がするんだ」

「だから、俺を信じていてくれ」

「お前が信じていてくれるなら、」

「俺は、俺を信じることができるから」







その願いはまるで、彼が彼自身に向けた、死刑宣告にも聞こえた。












―――――――――――
クラトスルートは怖くて行けないんです……今、フラノール雪見イベ直前でセーブしてんですけど……ちょっと進めたらクラトスが来ちゃったから、怖くて進めなくて……(涙
ゼロスぅぅぅ!!!




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