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第二次恋愛対戦 (豪吹←南・相互記念)

澄桜様へ


†豪吹←南








両想いになれた。
しかし、ゴールじゃない。









「なぁ士郎、日曜日デートしようぜ」
「うるさいよ南雲。僕を不快感で殺す気?」
「不快感って、ひでぇなぁ……お前最近、風介に似てきたんじゃねぇの?でも好きだ」
「ウザいウザすぎる」


部活の休憩時間、南雲はいつものように吹雪にべったりだ。
そんな猛アタックを受ける吹雪本人は俺の腕にべったりで、普段から誰に対しても温厚な吹雪がひどく苛々しているのが腕から伝わってくる。
そろりと顔を上から覗き込んでみるとこめかみがひくりと動いていて、顔に張り付くのは笑顔でも困惑でもなくただ怒りだけのように見えた。

遠くの方で円堂がすごく心配そうに身振り手振りで俺に大丈夫かとサインを送ってきている。
鬼道についてはこちらを見まいと顔を綺麗に背けていた。
円堂の相変わらずの優しさに苦笑して手を振りかえしながら、むしろあの円堂や踏み出しの強い鬼道が全く近寄ってこないほどの迫力を持つ吹雪の側に俺がいることが、なんとなく異常な気がしてしまった。
(恋人なのに変だよな)


「あのさ、僕豪炎寺くんと一緒にいたいの。空気読んでよ」
「学校でもべったりだろ」
「君が休み時間になるたびに来るから二人っきりになれないんだ」
「させないようにしてるっつったら?」
「今すぐ消えて。宇宙に帰って!」
「ふ、ぐぇッ……!?」


まるで俺なんて眼中になかったかのようなやり取りに終止符をうったのは吹雪だ。
にじり寄ってくる南雲のことばについにキレてしまったようで、吹雪は南雲の股関を蹴り上げてさっさと離れていったのだ。
(休憩中の俺に気を遣ったのかはたまた忘れられたのか、吹雪は俺を放置していった)

どこか遠くで「助けて涼野くん!」と怒り混じりに叫ぶ吹雪の声を聞きながら、俺は自業自得でうずくまる南雲にとりあえずタオルを渡してやった。
理由はどうあれ、あそこを蹴られる痛みはまぁ………わかるから。


「……落ち着いたか?」
「不能になったら吹雪に責任とってもらうぜ……」
「その前にセクハラで訴えられるだろうな」


おそらく涼野とヒロトが全力で吹雪のバックアップをするだろうから、本当にセクハラで裁判になったら確実に吹雪が勝つだろう。
もちろん、俺も吹雪の味方だ。
だからこそ、今日こそは言わねばならない。


「ところで南雲」
「あ?」
「お前、いつまで吹雪に付きまとうつもりだ」
「いつまでって、俺のもんになるまでだろ」
「吹雪は俺のだ」


強調すべきところを露骨に強調して言ってやった。
きっと今の俺は眉間にかなり皺を寄せているんだろう。
だが南雲は一瞬だけ目を見開いて、けれどすぐにやにやといやらしい笑みを向けてくる。
あぁ、苛々する。
今度は更に深く皺が寄るのをきっちりと感じとれた。


「今は、な。人の心なんざわかんねぇもんだぜ」
「吹雪に嫌われているお前に言われたくないな」
「は?んなわけねぇだろ」
「なんだと……」


うんと伸びをしながら南雲は立ち上がる。
その時のほんの僅かな震動で、ベンチに置いてあったボールが俺の足元へぽんと落ちた。


「お前、この前のバレンタインにあいつからチョコ貰ったろ。他に配ってたクッキーとは違う、赤いリボンの本命トリュフ」
「………あぁ」
「あれな、俺も貰ったぜ」
「な……っ!?」


にぃっと南雲の口元が歪んでいく。
まるで勝ち誇ったかのような、そんな、


「優勢なだけだ。まだお前の一人勝ちじゃねーよ」


まだまだこれからだぜ。

それだけ、言いたいことを言うだけ言って南雲はさっさとフィールドへ戻っていった。
俺は震えて声も出ない。

(少し作りすぎたから俺以外にも配っちゃったって、吹雪は言ってた。それぐらいはいい。でも、なんでよりによって南雲に、南雲なんかに、)

ゴール前にいる吹雪と涼野に南雲が近付いていく。
吹雪に抱きついた瞬間、涼野が見頃なアッパーカットを奴にかましてくれた。
吹雪は体ごと背ける。
耳まで真っ赤になっているのが見えた。

そう、耳まで、真っ赤だった。
(そういえば吹雪、口先以外で南雲を拒絶したことなんて一度もないじゃないか)



「…………ここまできて、お前に負けてたまるか……!」



利き足を大きく後ろへ振り上げる。
俺に気付いた涼野が軽やかなステップで離れていった。

さぁ、これで障害はなくなった、遠慮なくここからシュートを打てる。
狙いは懲りずに吹雪に手を伸ばす赤チューリップ頭だ。









吹雪のためならやってやるさ、第二ラウンドを!
















―――――――――――――――

大変長らくお待たせしておきながらなんという低クオリティ……最悪ですね私!←

補足としてはあれです、豪吹は付き合ってるんだけど南雲のアプローチがすごすぎてちょっと傾きかけてる吹雪を巡る二人の争いです……頭悪そうな話ですみません^q^

うわああああっリクエスト通りにいかなくてごめんなさい南雲も練習不足ですっ…!
あなたからいただいた豪吹のクオリティの域にほんの少しでも近付けたらいいなと思っています……長らくお待たせしてしまってすみませんでしたぁ!><

ふつつか者ですが、これからも仲良くしてやってください!
相互リンクありがとうございました!



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