稲妻 発覚恋心 (不辺(+豪吹)・一万打) ※一万打企画、あん様リクエスト ※三期 ※我が家は吹雪愛なサイトなので、どうしても吹雪を絡ませないと表に置かないことにしてるため、豪吹がちょっと混じることにご了承ください……(汗 †不辺(+豪吹) 「なぁ、結局俺達の関係って何?」 「知るかよ」 セールスの嵐になっている雷門町の商店街をとぼとぼ歩く。 俺と不動の間には妙な距離が空いていて、俺が二歩後ろからついて歩いているようたものだ。 (つーか俺らなんでまだ連絡つくんだよ) 真帝国の事件も、今となっては結構前の話だ。 あれから不動は帝国にいたけれど部活にも学校にもたまにしか出てこないし、珍しく出てきたって源田か佐久間あたりとしか絡まない。 そもそも俺との関わりなんてほとんどなかったはずだ。 俺と不動のすべての始まりはたった一つの気まぐれで、たった一回っきりのキスだった。 「なぁ、俺達って」 「うっせぇなぁ、知らねぇっつってんだろぉがよ。いちいち聞いてくんな、ハゲ」 「まだハゲてねーよ!つか髪の量とか面積とかで言うならお前よりあるぞ!?」 「はっ、この髪型はこーゆーやつなんだよ。そんなこともわかんねーのか、辺見ちゃーん?」 「てめっ……ちくしょっうぜえええ!」 一度だけ振り向いた不動はにやりと笑って、そのまま再び前を向いて歩き出した。 その後頭部にカバンを投げつけてやりたいのだが、こうも人が多いと周りに迷惑だ。 (あれか、つまり諦めろってか?) 「……はぁ、」 そもそもなんで不動とこんなとこにいるのかすら、まだはっきりわからない。 確か駅前でばったり会って、暇だから商店街まで付き合えっていきなり言われて断る理由もなく付いてきたのは確かに俺だけど、正直に言うぜ、気まずい。 気まずすぎる。 お互いになんとなくってだけの理由でただキスをして、宙ぶらりんな関係のままお互いに生活も平行して交わる隙もない。 一度だけ答えた俺の「なんとも思ってねぇから」の返事は未だに聞けていないのだ。 頼むから、はっきりしてほしい。 (だってモヤモヤすんだよ) 「吹雪」 あ、と思わず声が漏れた。 久しく聞く声にふいに立ち止まると、スポーツショップから懐かしい顔が出てきたのが見えた。 豪炎寺……雷門のあいつだ。 「待ってよ豪炎寺くん、はぐれちゃう」 「じゃあ……ほら」 後から出てきた白い奴に、豪炎寺は手を差し出す。 握手じゃなくて、手の平を上に向けての差し出し方だ。 ほんのり頬を染めた後、うん、と噛み締めるように呟いたそいつはそっと手を重ねる。 それから指を絡めて、二人は俺達が歩いてきた方へと行ってしまった。 ……なんだかすごく見せつけられた気分がする。 (あいつら、手、繋いでた) すっかり冷たくなってしまった自分の手をぎゅっと握りしめて、人を掻き分けて走る。 不動と大分離されてしまった。 (くっそ、モヤモヤしやがる) つーか俺、なんでこんな必死なんだ。 はぐれたならはぐれたで帰ればいいのに。 くそ、くそ、なんだこの気分! 「お、」 いた、 「おい、おいってば……不動っ!!」 「!?」 「あっ」 勢いあまって掴んだ不動の手は俺より冷たくて、そういえば不動はちょっと冷え症なんだといらない情報を源田が話していたのを思い出した。 不動の足が止まる、俺も止まる。 たくさんの人が行き交う中で、俺達は呆然と立ち竦んだ。 お互いに手を握りながら。 (やばい、これ超恥ずかしいんだけど) 「……あ、と、その、これは、だなっ」 「………来い」 「へ?」 「いいから来い!」 「はあ!?ちょっ……!」 つい離してしまった手を今度は不動に握られて、横道に逸れるように人波を真横に突っ切って路地道へ連れ込まれた。 「ちょ、おまっ」 「だ、黙れよ……!」 「ぅ、え……?」 離されたと思ったら今度は抱きしめられ、そのまま不動は黙り込んでしまった。 けど、でもでも、 (うっわ、うわうわうわ、すっげえドキドキいってる、うっわ) どっちの心臓の音なのか、混ざりすぎてもうわからないけれど、その音がまるで直接頭の中に叩き込まれているように響いて、なんだかものすごく恥ずかしい。 逃げたい、本気で逃げたい。 「………おいハゲ、お前の心臓うるせーんだけど」 「そっちこそ……ドキドキうっさいぜ」 背中へゆっくり手を回す。 そろりと顔を合わせると不動は真っ赤になってて、なんだか頭がぼんやりする俺もきっと真っ赤だ。 (携帯にある不動のアドレス、消そうって思ってたけど、やめとこ) 二度目のキスは、死にそうなぐらい恥ずかしかったりした。 ――――――――――――――― 豪吹入っててすみません……汗 しかも私、一期を見ていないから辺見のキャラをしっかり把握してないんですよ……穴だらけでごめんなさいぃ!>< リクエストありがとうございました! これからもよろしくお願いします! [前へ][次へ] [戻る] |