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境界線




『う…?』

『起きたか?』

『!!!』

ガバっ

長い首を持ち上げ、周りを見回す。

…どこだここは?

周りは真っ暗だった。
海底の暗さなんてもんじゃない。
海底ならまだかすかだが光はある。
俺がいるここは本当の闇が支配していた。
自分が今どっちを向いているのか、目をちゃんと開いているのかさえわからなくなってしまいそうだ。

だが周りが闇なのにも関わらず、自分の体は見えている。
横たわった、水中で泳ぎやすくするため丸みを帯びた白い体。

ここはあの紫の空間の中なのだろうか…

『…………!』

不意に視界の端に入ってきた明るいオレンジ色に視線を移すと、目を覚ます前に最後に見たホウオウがそこに立っていた。

おそらく声を掛けてきたのもホウオウだろう。
…一緒あれに飲み込まれてしまったのか。
悪いことをした…

『ホウオウ…すまない…』

『ん?何故お前が謝る?』

ホウオウは首を傾げて立ち上がりながら謝る俺を眺めて言った。
まるでおかしなものでも見るように。

ホウオウは俺を責める気はないようだ。
昔から心が広いやつだったからな…。

罪悪感は変わらずのしかかり、俺はホウオウをまともに見れない。
何も返答が出来なかった。

『しかし久しぶりだな…何年ぶりだ?』

ホウオウは明るい声で続ける。

この状況でそれを聞くのかこいつは…;

と思いつつも俺は口を開く。
明るく言われたのだからそれ相応の返事を返すのが礼儀というものだろう。

『そうだな…百年…いや百年と五十年といったところか。
長い年月が経ったっていうのにお前は変わらないな。』

さっきまでの雰囲気をぶち壊すような笑顔をする。

『……………。』

あ、ヤバい。
調子に乗りすぎたらしい。
ホウオウは急に黙り込んで俺を…睨み付けている?
何故だ。
もっと謝ったほうがよかったのか。
それとも今更ながら状況を理解して俺に敵意を剥き出しにしているのか。

笑顔を崩すタイミングがわからずそのまま静止。

『…お前はそうでもないらしいな。』

低い声が闇のしじまを揺らす。
予想外なその不意打ちに俺はびくりと身を強ばらせた。

俺が変わった…??
何を言っているんだこいつは。

『変わっ…たか?俺が。』

笑顔を崩して首を傾げてホウオウを見つめる。

『……………あぁ。』

ギラギラと光るホウオウの眼は、俺の防御力を下げていく。

どっ、どうすればいいというのだ。

返答に困っていると、沈黙を破ったのはホウオウの方だった。

『名前、ここは空間と空間の狭間、境界線という所だ。』

『きょ、境界線…?なんでそんなところに…』

『お前が海に引き込もっている間に、この世界が変わったということだ。
…無論私の方が酷いが。』

酷い…

…さっきからホウオウの言っていることがよくわからない。

それによくまぁ焦らないな…
空間と空間の間…??境界線??
そんなわけのわからない場所に飛ばされて怖くないのかコイツ。
や、別に俺が怖いわけじゃないぞ。

『世界が変わったとは、どういうこt
『せんぱーっい、せーんぱーっい!』


『『響!!?』』

『え?誰スか?』

『っていうお前が誰だ!!』

▼ピンクパープルのかいぶつがしょうぶをしかけてきた!

たたかう ポケモン
 どうぐ  にげる

『まぁ待てルギア。
コイツは俺らの後輩だ。』

『後輩だと…?』

これが?
…ホウオウが敵じゃないというならば信じるが…

その後輩とやらをまじまじと見つめる。

『ちょっ、そんなに見ないでくださいよ照れるじゃないっスか∀//』

が、すぐに視界から消し去った。

あまりにもキモかったから。

『これはパルキアという。
仲良くしてやってくれ。』

『うっすゞ
紹介に預かりましたパルキアです★
ルギア先輩の事はホウオウ先輩から色々聞いてます!!
つかせんぱぁい、俺パルキアよりパルパルって呼んでほしい、って言ったじゃなぃですかぁ。』

いらっ

『で…?
コイツが一体何の後輩だって?』

『…私は生命を司る神、お前は海を司る神、そしてコイツは、』

『空間を司る神でっス★』




(空間の神…?)

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