落下中
「…………!!!!」
目の前は澄みきった青。
空中に俺は立っていた。
暗闇は嘘のように消え去っている。
なに、………っ!
ふわっ、と背に嫌な浮遊感をふと感じた。
何かの力で辛うじて持ち上げられているような…
段々と重力の方向の認識が変わってくる。
その感覚にぶわっと冷や汗が吹き出し、段々と自分の置かれた状況がわかってきた。
俺は立っているのではなく、
横になって浮いてる。
その時だった。
「お、ちょ、ま、待て、」
段々と体が背から落ちていく。
青────空は相変わらず遠くも近くもならない。
だが離れていく感覚に陥る。
ふわっ、
辛うじて俺を支えていた力が最後に底力を見せるが、
「────!!!!」
ズァァァアアアアアア!
それも虚しく、
俺は本格的に落ち出した。
耳のすぐ横を風が切っていく。
(なにぃいいいいいい!!?)
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