色彩
あなたの吐く真赤な言葉で
私はみるみる透明になってゆく
「手を離さないで」
鮮やかな街をあなたと歩く度
いつも一色ずつ失った
人は何故輝くの
そして木葉のように哀しく移ろう
虹は七色とは限らないし
影はいつでも同じ色
赤を好むあなたに 染まれなかったわたし
「手を離さないで」あれほど云ったのに
最後に見つけてくれたならまだ取り戻せるものを
もう持たざるわたしは 今日 とても綺麗
日光を透かしてあなたを差そう
赤の似合うあなたに 透明なわたしが
最期に ひとつだけのこそう
いつか花開く 漆黒のくちづけ
(20060126)
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